【幼児】正しい箸の持ち方指導は叱るとダメ・豆つまみ遊びをしながら上達!

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園生活にも少しずつ慣れ、活動量も増えてくると、お昼前には「おなかがすいた~」
給食も始まり、さあみんなで美味しくいただきましょう。
と言いたいところですが、、、

お箸が上手に使えない。
家だったら、ママが食べさせてくれることもあったのに・・・
給食をこぼしてしまう。
隣りの席の友達に、笑われた。
先生からは、「きちんとお箸を持って食べましょう」と注意を受けた。
美味しいはずの給食を食べることが嫌になった。
そんなお子さんが、何人もおられます。

私は38年間幼稚園教諭として、給食指導を行ってきました。
食事のマナーを身に付けるための第一歩は、正しいお箸の持ち方です。
箸の持ち方をきちんと指導すれば、子どもたちは楽しく食事ができますよ。
そのアイデアをお伝えいたします。

幼児期から箸を正しく持つこと

大人になって、お箸が上手に使えないと会食の時に恥ずかしい思いをしますね。
ある有名な落語家が、食事シーンで「すみません、変なお箸の持ち方で、、、」と周りの人に
いつもおことわりしている姿を見かけます。
自分が恥ずかしいだけではなく、食事の品位を落としているのではと気にしての発言でしょう。
確かに彼の年齢になってまで、箸が上手に使えていないことにおかしさを感じましたが、
おそらく60歳を過ぎてから、正しい持ち方に直すということはとっても難しいのでしょう。

それだけに正しい箸の持ち方は、幼少期にしっかり身に付けさせることが必要です。
箸の持ち方は、その人の将来にまで影響を与える恐れがありそうです。

パパやママは、お箸を上手に使えますか?
若い保育士は、子どもの前で変な持ち方はしてはいけないと躾け箸を使って練習していました。
お子さんがどんな持ち方をしているか見て、早いうちに正しい持ち方になるように練習してみましょう!

正しく箸が持てないと困ること

  1. 食事に対するストレスから、食事に対する意欲が低下する。
    食事が思うように食べられないと、お子さんはイライラします。
    乳児が食べたいのにうまく口に入れることができずに、
    「イヤ!」とスプーンを放り投げてしまうことがありますね。
    幼児になると、さすがにお箸を投げ捨てることは少ないですが、
    食べることに対しての意欲がなくなります。
    「こんなめんどくさいことしてまで、食べたくない!」
    食欲に負けると、箸を持っているけれど反対の手で手づかみという光景もよく見られます。
    食べたい時に、食べたいものを食べることができることは精神的な安定にも大切なことです。
  2. 食べ物をこぼす。
    箸がうまく使えないと、こぼす量も増えます。
    「お口ではなくて、お洋服が食べたんだね~」と笑うことがよくありますが、
    こぼす量が多いと、服の洗濯やまわりの片付けも大変になりますね。
  3. 周囲に笑われることを気にして、消極的な性格になることがある。
    4・5歳児になると、周りの評価を気にする子どもも増えてきます。
    どんなに笑われても構わないというワイルドな子どもならばいいのですが、
    友達に認められたい気持ちが芽生えてくる時期に友達に笑われることで、
    引っ込み思案な性格になってしまう恐れがあります。
  4. 手先の発達に影響します。
    箸を正しく持つことは、指先の細かい動きを必要とします。
    乳児は、握り箸ですが、これは指先の微細な動きをする神経や筋肉が育っていないからです。
    手先は使えば使うほど、動きは良くなります。
    だから、正しく箸を持つことは初めは大変だけど、
    練習すればきっと上手に使えるようになります。
    正しい箸の持ち方は、正しい鉛筆の持ち方につながり、脳の発達にまで影響します。
  5. 食事のマナーに関わります。
    きれいに食事ができるということは、食事の雰囲気を壊さないということにつながりますね。
    成長に伴って、マナーは豊かな生活、人間関係を築くことになるでしょう。
       
    以上の理由から ⇒ 正しい箸の持ち方を指導する必要があるのです。         

正しい箸の持ち方練習 

幼児が楽しく箸を使えるようにするためには、遊び感覚で練習することが一番です。
お子さんの箸の持ち方が気になっても、決して食事中に注意したり叱ったりはしないでください。
楽しいはずの食事が嫌になり食べることを拒否してしまうと、お子さんの健やかな成長に影響します。

  1. 握り箸から始めます
    まずはお子さんはどんな持ち方が楽でしょうか?
    5本の指がしっかり箸を意識して、握りやすい方法で構いません。
    少しずつ5本の指の使い方を覚えられるように教えてあげましょう。
  2. 遊び感覚で楽しみながら練習です
    楽しみながら練習すれば意欲的になります。
    次のようなものを箸でつかむといい練習です。

    豆つかみゲームボール運びゲーム(上級者向け)
     小さい豆や丸いボールを、箸でつかんで、お皿からお皿に移動させます。
     お豆は、取りたてのツルツルしたものか、煮たものか、シワシワになったものか
     また、ソラ豆かエンドウ豆か、、、お箸の使い方の上達程度で変わりますね。
     移動も右のお皿から左のお皿に、または左のお皿から右のお皿にかなど
     お子さんの利き腕によって変わってきます。
     上達するにしたがって、ハードルをあげるといいですね。


    スポンジや綿つかみゲーム(初心者向)
     軽くてつかみやすいから、お豆つかみにいくまでの意欲付けにいいでしょう。

    オヤツつかみゲーム(食欲大向き)
     ボップコーンやキュービック型チーズなど、おやつの時間になる前にやってみても
     いいですね。
     食べ物を遊びに使うことへの批判もありますが、衛生面に配慮し、粗末に扱わなけ
     ればいいと思います。
     ゲームが終わったらおやつタイムだよ~となれば、きっとやる気マンマンで練習するこ
     とでしょう。
  3. 練習用の箸を使う。(躾け箸ということもあります)
    補助器具付きの箸が出ています。
     バネがついて開閉しやすいものを使うと、正しい指の使い方がよくわかります。
     慣れてくると徐々に箸の動かし方もわかってきます。
     それから、普通の箸へ移行するといいですね。

    輪ゴムを使う。
     練習用がない場合には、輪ゴムを使って、下の箸と薬指が離れないようにする
     いいです。
  4. 親がお手本を示す。
    本来は家族みんながきちんと箸を使って食事しているならば、
    子どもは自然に正しい箸の持ち方を身に付けるものです。
    しかし、子どもだけで食事して大人が箸を使う様子を見る機会がなければ、
    お子さんも正しい箸の持ち方を学ぶチャンスがありませんね。
    パパやママ、おばあちゃんなどと一緒に食卓を囲む機会をつくり、
    上手に箸を使って楽しく食事している様子を見せてあげましょう。
    ただし、お子さんの持ち方が悪くても、食事中は注意をしないでください。
  5. 楽しい食事時間にする。
    子どもにとって、食べることが楽しくないといけませんね。
    好き嫌いなくなんでも食べようとする意欲は、みんなで楽しい食事時間だからでしょう。

正しい箸の持ち方指導・ゲーム2種

〈豆つまみゲーム〉

左の猫ちゃんのお皿のお豆を、左の豚さんのお皿に一粒ずつつまんで移していきます。
落とさないように気をつけて!
ゲームだけど、初めは急がせる必要はありませんよ。
正しくお箸を持つことができると、落とさないでつまんで移すことができるようになります。
真剣な子どもの表情はかわいいです。
しっかりエールを送ってやりましょう。

〈ボール運びゲーム〉
下のゲームは子どもたちが考えました。
スチロールの容器に点数が書いてあります。
黄色の小さいボールが入っていますね。
箸でこのボールをつかんで、運んできました。
箸に乗せるのではなく、つかむことがルールです。
かなり上手にならないと難しいですが、とにかく箸の扱いに慣れていくための楽しい遊びです。

上記のように、遊んでいるうちに少しずつお箸の使い方も上手になっていくことでしょう!
いろいろな物をつかんでみましょうか。
楽しい遊びを考えてくださいね。

箸の正しい持ち方練習 

上手にお箸が使えれば、笑顔になります。

さあ、どのようなお箸を、どのように持てばいいか、図で解説しますね。

どんなお箸を使うか

〈箸選び〉
・素材
  滑りにくい素材
  細すぎず、太すぎずのお箸がおススメ
・長さ
  手首から中指の先までより、3センチ長いものが使いやすい。

見た目よりも、使うお子さんが実際に持ってみて、使い心地の良いものがいいですね。
ただし、これまでお箸を使ったことがないお子さんについては、まずお箸に親しむことも大切です。
食事の時に、自分の大好きなキャラクターが描かれていると、お箸を使うことが楽しくなりますね。

M男のママ
M男のママ

我が子も、スプーンの生活が長かったです。
幼稚園入園をきっかけに、お箸を使わせようとしたのですが
思うように食べられないことにイライラしてやっぱりスプーンを使っていました。
そんな時、大好きな恐竜の絵が描いてあるお箸を見つけたのです。
我が子(M)に見せると大喜び!
「恐竜君って、強いよね~」
「M君も、恐竜君に負けないように食べようか」
「初めに恐竜君でーす」
箸を開くと恐竜が口を開けたように見えます。
「パクッ」とおかずを箸でつまみました。
「ぼくも、する!」とM男は箸を握って、おかずを突き刺し、
それから自分の口に「おいしいね~」と嬉しそう。

もっとも箸は握り箸になっていましたが、、、
でも、箸を使うことに興味を示したので、それからは少しずつ正しい持ち方を教えていきました。
正しい持ち方ならば、恐竜が本当に食べている感じになるのですから、
M男の箸の持ち方も上達していきました。

正しい箸の持ち方練習スタート

上記のM男くんは、幼稚園入園を指導のきっかけにしました。
本人が興味を持った時がスタートの時期
初めから上手に使えなくて当然だというくらいのゆったりした気持ちで取り組んでみましょう!
また、食材も関係しますよ。
練習では、様々な素材ということもお伝えしましたが、
実際に食べるとなるとお箸でつかみやすい物の方が、お箸を使う楽しさを実感してくれるでしょう。
ツルツルした滑りやすい物より、
まずは、ふんわりした柔らかい厚めのお肉や煮野(お芋、かぼちゃなど)がつかみやすいですね。
そして、成功したらしっかり褒めて
次への意欲につないでいきましょう! 

正しい箸の持ち方 

  1. ①の図のように、1本だけ鉛筆を持つように軽く持ちます。
    薬指と小指は折り曲げています。
  2. ②の図のように、もう片方の手でそっと押さえて、上下に動かす練習をします。
  3. 2本目の箸は、親指の付け根に下から滑り込ませます。
  4. ③の図のように、薬指のつめの横に当てて動かないようにします。
    上の箸をそっと下して、下の箸の先とそろえばOKです。
  5. 今度は2本で、上の箸を上下に動かして練習しましょう。
    下の箸と薬指が離れないように、③の図のように輪ゴムを使ってもいいです。

練習用の箸について

練習用の箸は、お子さんの年齢や手の大きさ、成長の段階に合わせて選ぶことが大切ですね。
いろいろ試してみて、より使いやすい物を見付けましょう

  1. 持ち方のサポートがあるもの
    指を入れるリングやくぽみがあるタイプがおススメです。
    自然に正しい持ち方を身に付けることができます。
  2. ステップアップできるもの
    ・バネ付きの箸・・・開閉がしやすく、指の動きが覚えられる。
    ・リング付きの箸・・・指の位置が固定され、正しい持ち方を習得しやすい。
    ・普通の箸に近いデザインの箸・・・徐々に移行していくことで、普通の箸を使うことに
    違和感がない。
  3. 子どもの興味を引くデザイン
    お子さんの大好きなキャラクターや好きな色や模様がついているだけでも、
    お箸を使うことが楽しくなりそうですね。
    お子さんが意欲的に箸を持とうとする気持ちになるように、これが大切ですね。
    箸の先が恐竜の口みたいに歯が描かれていて、食べ物をつかむと、恐竜がパクッと食べて
    いるように見えて、お子さんが喜んだという事例がありましたね。。
  4. サイズ
    お子さんの手に合った長さと太さを選びましょう。
    長さについては、上記に絵で示しています。
    ・2~3歳・・・短めで太めの持ちやすいもの
    ・4~5歳・・・少し細めで、長さも適度にあるもの
    ・6歳以上・・・普通の箸に近いもの
  5. 素材
    木製やシリコン加工された箸は、食べ物が滑りにくく、つかみやすいです。
    プラスチック製は、軽すぎて扱いにくいかもしれません。

まとめ

人間にとって、食べることは命をつないでいく大切な行動です。
さらに、楽しく食べることができるということは、心や生活の豊かさにもつながります。
より一層グレードアップさせるためには、正しく箸を持つことが大切です。
人間以外の動物は、食事中に箸を使いません。
人間が他の動物と大きく違う事の一つでしょう。

箸を持つことは、それまでミルクを飲み、スプーンで食べさせてもらっていた子どもにとって、
より主体的な育ちになります。
さらに正しく箸を持つということは、文化的・精神的な高まりを要求するものであり、
箸を持ち始めた子どもにとってハードルが高いかもしれません

だからこそ、お子さんの発達に応じて、お子さんの興味・関心に応じて
楽しく正しいお箸の持ち方を教えてあげたいですね。
まず楽しい遊びを通してということが大切です。
決して焦って叱ってはダメです。

パパもママも自分の箸の持ち方を確認しながら
お子さんと一緒に、正しくお箸が使えるように、持ち方の練習をし
楽しい食事になるようにしてみましょう!


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