子どもたちは、誕生日を楽しみにしています。
家庭でもお祝いをしてもらうでしょうが、
幼稚園や保育所で、たくさんのお友達や先生方に「おめでとう!」と祝ってもらうことは、
ちょっぴり照れるけれど、とってもうれしいことです。
それ故に、その子どもの成長を心から祝ってあげるような誕生会にしてあげたいですね。
どのような出し物をしてあげればいいでしょうか?
子どもたちがとっても喜び、
忙しい保育者が、限られた教具で準備に時間をとられることもなくできるものは人形劇です!
でも、「子どもたちの要望に応えられるほどたくさんの人形はないわ」という悩み。
大丈夫です。
牛乳パックを使って、子どもたちの大好きなお話を人形劇に表現することができますよ。
私は、38年間の幼稚園教諭時代に、毎年誕生会で子どもたちを祝ってきました。
10年間の保育者養成学校では、学生に誕生会のあり方について講義してきました。
子どもたちの喜ぶ人形劇のアイデアをお教えしますね。
学生の実習での部分実習としても使えますよ!
【誕生会】子どもの成長を祝う催し
1 お誕生日の子どもが、とってもうれしくなるような工夫をしてやりたいですね。
・ その子どもの好きなものや色で飾りつけ(子どもに冠やペンダントなど)をする。
・ みんなでお祝いの歌を歌ってあげる時に、誕生者にしっかり注目し、主役にしてあげる。
・ 誕生者の話(好きな色・食べ物・キャラクターなど)や大きくなったらなりたいもの
などをしっかり聞いてあげる。
2 先生からの出し物を計画する
・ 時間配分に無理のないように、参加人数、対象年齢を考えて準備する。
・ みんなが参加して楽しめるような手遊び、クイズ、シアターなど
毎回、ワワクワクドキドキ子どもたちの期待に応える。
3 楽しい思い出を残す。
・ 手作りのプレゼント(輪飾りの首飾り、記念写真など)心のこもったものを準備する。
・ 手形、足形などその子どもの成長の記録を残す。
以下は、誕生会で先生が出し物として演じた牛乳バックの人形劇です。
【誕生会】先生の人形劇20選
年齢や参加人数にあったお話を人形劇にしてやるといいですね。
本来のストーリーに忠実でなくてもいいです。
クラスで絵本で親しんでいるお話や、サプライズとして保育者や誕生者人形が登場する創作話など
もっと盛り上がるかもしれません。
一つのお話に出てくる人形をすべて準備しなくても大丈夫です。
うさぎ、ねこ、くまなどは、いろいろなお話に登場してきますから、
いろいろなお話に持ち回りすると保育者の準備の軽減になります。
〈がたんごとん がたんごとん〉
一匹ずつが登場。汽車に乗っておでかけです。
どこに行くかは、誕生者の希望のところ。

〈三匹のこぶた〉
豚はみな同じ、着ているベストだけ色を変えるといいから簡単です。
牛乳パックを土台にして、子豚の家も作りましょう。

〈大きなかぶ〉
おじいさん、おばあさん、女の子、男の子、犬、猫など
着ているものや髪型など、ちょっと変えただけ。

〈三匹のやぎのがらがらどん〉
がらがらどんの体は、バラの模様のラッピングペーパー。バラの模様がヤギの毛をうまく表現。
トロルの体は、スズランテープとカラービニールにしました。

〈ヘンゼルとグレーテル〉
魔法使いがとってもかわいいです。
背景に、お菓子の家も作りました。

〈ももたろう〉
桃の印があるだけで、桃太郎のお話だと分かります。
牛乳パックならば、鬼の角も簡単です。

〈シンデレラ〉
人形の目の描き方を少し変えただけで、外国人になりました。


〈こぶたたぬききつねねこ〉
なぜか、きつねがライオンに変身です。

〈あかずきんちゃん〉
猟師も色画用紙を使って、ダイナミックになりました。

〈ノンタン〉
小さい組の子どもたちも喜びます。


〈なかよしごっこ〉
まったくの創作話です。
みんなで作った人形を持ち寄りです。

〈おいしいな〉
これも創作話。
新聞紙を丸めてウンチを作っています。
小物づくりが楽しかったようです。

〈おむすびころりん〉
日本昔話のおじいさんだって作れます。

〈アンパンマン〉
アンパンマンに登場するもの、なんでも作れます。
しょくぱんまんは、牛乳パックの上に画用紙を貼り、大きくしました。


〈きんたろう〉
腹巻に金マークがあるだけで、金太郎のできあがりです。

〈ガチャガチャバンド〉
創作話です。
この人形劇の後に、子どもたちのカラオケ大会をするといいですね。

〈5レンジャー〉
男の子の好きな5レンジャー。
これならば、人形劇に興味のない男の子もくぎづけになります。

〈カエル〉
口からベロがひゅるひゅるひゅる~
ちょっとした工夫で、人形が生きてきます。
ベロは、傘用ポリ袋でも楽しいですよ。
カエルがたくさんできたら、〈おたまじゃくしの101ちゃん〉ができます。

〈かぐやひめ〉
大河ドラマの「光る君へ」をイメージしています。
ラッピングペーパーで着物を表現です。

〈サンタクロース〉
12月の誕生日会に使いたいものです。

おまけ・・・〈園長先生〉
いろいろな先生人形も特徴を捉えて作ると、きっと人形劇は大盛り上がりでしょう。

牛乳パック人形の作り方
作り方は簡単!
上記の人形すべて、基本は一つです。

1 牛乳パックの角を2か所(対角線に)切れ込みを入れます。
底から7センチくらい残してくださいね。
残した部分が、頭とあご・体になります。
作るものによって、何センチ残すかは変わりますが、、、テキトーに!
2 切り込みを入れた部分を、上下に、ドッコイショと言う感じで開きます。
ちょっと力はいりますが、牛乳パックは破けることはありません。
思いっきりやって大丈夫です。
3 開いた一方に頭(下の画像ではウサギの頭)もう一方にあごと体を描いて切り抜きます。
これで、基本形はできました。

真ん中と右はまったく同じ切り方です。
しかし、上の丸い部分を耳にすれば、くま。 目にすればカエルになりました。

顔の表情が違っただけで、こんなにいろいろなものができました。

4 作りたい人形のイメージに合うように、
毛糸・モール・リボン・ラッピングペーパー・カラービニールなどで飾り付けたらできあがりです。

思い出に残る人形劇にする
演じる保育者は見合っても、人形は子どもたちに向ける。


小道具を作る時間がなければ、下の汽車のようにテーブルに貼り付ける。

1 子どもたちがよく見えるように演じる。
演じる保育者同士が向き合ってしまうと、せっかくの人形が子どもたちに見えにくくなります。
保育者は横を向いていても、人形は子どもの方を向けましょう。
あくまでも、人形が主体であり、保育者は黒子になるべきです。
2 子どもたちの反応を見ながら演じます。
全員が集中して楽しんでいればいいのですが、中には興味がもてなかったり、周りの子どもに話しかけたりする子どもがいて、全体が落ち着かない雰囲気になります。
そんな時には、保育者が注意するのではなく、
人形を使って語り掛け、人形劇に関心をもたせるようにしむけましょう。
3 楽しい雰囲気の演出をします。
雰囲気作りのための効果音を使ったり、人形劇の舞台の飾りつけなど、
子どもたちがワクワクするような工夫をしたいです。
ただし、音に過敏な子どももいます。
あまり大きな音でびっくりさせないように、また、怖がらせるようなことは避けましょう。
4 適当に子どもの参加型にする。
誕生者が登場すれば、その子にとってはいい思い出になり誕生者のお祝いにつながるでしょう。
または、全員が掛け声をかけたり、魔法の呪文を唱えたり、
保育者の演じる人形劇に参加させる場面を作ると楽しさ倍増です。
5 時間配分を考える。
誕生会にはおそらく年齢の低いクラスも参加するでしょう。
誕生会の全プログラムが30分程度と考えれば、保育者の出し物は5~10分程度が限度です。
ダラダラと演じてしまうと、楽しいはずの人形劇もつまらないものになります。
子どもたちの状況に応じて、時間を調整しましょう。
誕生日会出し物アイデア
先生の出し物として、牛乳パックの人形劇をお伝えしてきました。
他にも、これまで人気があったものをいくつかご紹介します。
1 クイズ大会
お誕生者の紹介コーナーで取り上げるといいです。
お誕生者の好きな色は?好きな食べ物は?好きな遊びは?好きな人は?
とにかく、誕生者を主役にします。
楽しい回答に、会場は共感と笑いで大盛り上がりです。
2 カラオケ大会
子どもたちの人気の歌をバンバン歌います。
子どもたちにマイクを握らせてあげましょう。
日頃おとなしかった子どもに意外な面が見えたり、一緒に歌ったことで仲良くなったりします。
3 先生のマジックショー
紐がするりと抜けたり、お水の色が変わったり、、、
ちょっとしたコツを練習したら、先生は子どもたちの人気者です。
魔法の箱から、誕生者の名前や好きな物が出てくる仕掛けは、子どもたちをワクワクさせます。
4 ダンスタイム
「誕生月仲間」を全員で踊れば、来月は誰が誕生日?と楽しみになります。
運動会で踊った「エビカニクス」や「パプリカ」も盛り上がりますね。
子どもたちの誕生会を思い出に残る楽しいものにするためには、誕生者にしっかり光を当ててあげたいですね。普段おとなしくて、自分の存在感をあまり主張していない子どもでも、誕生日会の日だけは、
「主役」にしてあげたいです。
他の子どもたちも、お友達の誕生日をお祝いしてあげることでやさしい心を育み、
さらに自分の成長を楽しみにすることで、主体的な子どもへの育ちが期待できます。。
5 ゲーム
参加人数にもよりますが
「かもつれっしゃ」「ハンカチ落とし」「フルーツポンチ」など、
日ごろクラスでやっている遊びも、他のクラスのお友達とやれば、違った楽しさがあります。
まとめ
楽しい誕生日会をして、誕生者をみんなでお祝いしてやりたい。
誕生日会では、誕生者を主役にして幸せな気持ちにしてやりたい。
そんな保育者の思いを実現するために、出し物として人形劇を提案いたしました。
牛乳バックを使った人形劇は、
準備が簡単で、どんなお話にも(子どもたちのリクエストにも)対応できます。
なにより、大好きな先生の生の声での人形劇は、子どもたちにとって、落ちつきます。
その日の雰囲気によって、ストーリーを自由に変えて楽しめます。
準備に時間もお金もかかりません、
保育者同士も協力してアイデアを出しながら、楽しく演じてみませんか?
子どもたちにとって、きっと思い出に残る誕生日会になることでしょう!
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