幼児の遊びの世界にも、どんどんLABUBUが入ってきました。
タダのぬいぐるみではない!LABUBU。
想像力が豊かな子どもたちは、現実と空想の世界を行ったり来たりして遊びを楽しんでいますね。いたずら好きで、ちょっぴり不思議なキャラクターLABUBUは、子どもたちを惹きつけています。
LABUBUのどんなところに魅力を感じているのでしょうか?
LABUBUと一緒に、子どもたちの想像力や創造力をますます伸ばしていくような遊びに発展させていきましょう!
私は38年間幼稚園教諭として、子どもたちの生きていくために必要な能力を育てるために遊びの研究をしてきました。
現在、保育者養成校で、遊びの大切さを学生(保育者の卵)に教えています。
LABUBUを教材のひとつとして、様々に遊びを展開していくアイデアをお伝えしたいと思います。
LABUBUの魅力
LABUBUは、これまで子どもたちが好きだと言っていた人形とは少し違います。
キティちゃん、ミフィちゃん、テディベア、クマのプーさんなどと、どう違うのでしょうか?
LABUBUを見て、「かわいい」という子がいれば、「怖い」という子どももいます。
1「こわかわ」なLABUBU
「怖いけれど、かわいい」という感じが、子どもたちの好奇心をくすぐっているのです。
確かにパっとみた感じは、ふわふわ人形でかわいい。
色とりどりできれい。
でも表情は、モンスター出身だからか歯が見えてちょっと怖い感じがします。
でもにんまりと笑って親しみを感じます。
何を考えているのかな~と想像力を湧き立てます。
2 ぬいぐるみサイズで、身近に置きたい
テディベアみたいに大きくてクッションになるとか、お出かけする時に連れていくことができないということはありません。
手のひらサイズだから、幼児の手にぴったり。どこへ行くにも持っていくことができます。
ベッドの中で抱っこして眠ることができます。
自分の大切なお友達として、いつも一緒にいて、親しみをもって感情移入しやすいのです。
3 いたずらっ子というキャラクター
LABUBUは「いたずら好きで好奇心旺盛な女の子」という設定です。
いつもいたずらしてパパやママに叱られている子どもにとっては、思いを共有できるお友達に思えるのでしょう。
逆におとなしくて自己主張したくてもできない子どもには、LABUBUが自分の代わりに思い切って行動してくれそうで、憧れの存在に思えてくるのです。
自由な発想をもって遊ぶ子どもたちにとって、LABUBUの存在は共感を呼び、これは幼児の感性と一致します。
4 何色のLABUBUがくるかワクワクドキドキ
届いたボックスを開けるまでは、何色のLABUBUが入っているか分かりません。ドキドキワクワク・・・これは、「ガチャ」に通じるものがありますね。
また、「推し」(幼児の中でも、兄姉のいるおませさんは「推し」が理解できる子どももいますね。)が持っているLABUBUと同じものを持っているといううれしさもあるかもしれません。
LABUBUと一緒に遊ぼう
1 LABUBUを手作り
本物のLABUBUがすぐに手に入るわけではありません。
それならば、手作りしてみましょう。
ママがお裁縫が上手ならば可能ですね。
でもここでは、子どもたちが実際に遊びの中で手作りしたものをご紹介します。
市販のものは注文しても自分が希望したカラーのLABUBUが届くとは限りません。
でも手作りならば、好きな色のLABUBUにすることができますね。

・画用紙にLABUBUの絵を描きます。
・中にうっすらと綿を伸ばして、周りをセロテープで止めています。
・不織布を利用すると、柔らかい感じになりますね。ただ、マーカーで絵を描く時に、画用紙に比べて滑りが悪いので、ちょっと時間がかかりました。
・身近に不織布がなければ、拭き掃除用のドライシートでも可能です。
・LABUBUを作るという目的がはっきりして身近に使える材料はないか探す活動は、とても意欲的になります。
・子どもの発想力で世界に一つだけの自分だけのLABUBUができたということは、とっても満足感を味わい、LABUBUが宝物になりますね。
2 着せ替え遊び
・本物のLABUBUならば、手作りの服を作ってあげるといいですね。
・四角の布を三つ折りして、両方に手を通す穴を開けるとベストになります。
・布の代わりに、カラービニールを使うと幼児にも簡単にできます。
・上記のLABUBUは黒ですが、初めから色画用紙を使うと色違いのお好みLABUBUになります。
・いろいろなシーンを想定して作ると楽しいですね。
・手作りすることで、発想力・創造力・手先の器用さが培われます。

3 お楽しみノート作り
・表紙に好きなキャラクターの絵が描くだけで、自分だけの大切なノートになります。
・今、子どもたちの世界ではシール交換遊びが流行しています。
たくさんのシールをこのノートに貼っていけば、自分だけの宝物になるでしょう。
・製本は大人が手伝ってあげるといいですね。

4 ぬり絵遊び
・下絵は、大人が描いてやり、人数が多い場合はコピーを利用するといいですね。
・LABUBUの輪郭だけ描いておき、表情は子どもに任せたらいいでしょう。

ママ*「かわいいLABUBUができたね」
子 *「今日のLABUBUちゃんは、ママと一緒にお出かけするから、うれしいお顔なんだよ」
ママ*「そうなの。お出かけする時にこのLABUBUちゃんも連れて行ってあげましょう」
子 *「ヤッター!」
LABUBUの表情は、子どもたちの心の中を表しているかもしれませんね。
5 LABUBUの気持ち当てっこゲーム
・4のぬり絵の表情を大人が描いたものを子どもに見せます。
・LABUBUは何と言っているでしょう?と問いかけてみましょう。
「うれしいって」「お腹が空いたよ~」「寂しいって」「怒っているみたい」「びっくりしている?」など感じたことを答えることで、自分の心の声を言葉で表現していくことにつながりますね。
・子どもの感情表現が豊かになっていく遊びの一つでしょう。

先生*怒っている表情のLABUBUを子どもたちに見せて「これは先生だよ」
子 *「あっ、お片付けしていないから、先生は怒っているんだ!」「ごめんなさい」と慌てて片付けを始めた子どもたちでした。
大きな声を出して、「お片付けしなさい!」と言わなくても、LABUBUの表情を汲み取って、進んで片付けをしてくれた子どもたち。
保育の指示を出すことにも使えそうです。
5 LABUBUの冒険ごっこ
・子どもたちは、憧れのものに変身することが大好き。
・LABUBUにそっくりにならなくても、なっているつもりだけで満足。
・女の子たちですが、段ボールで作った剣を持って「冒険に行くよ!」

6 LABUBUになってダンス
・お話に合わせて、音楽を流してあげましょう。
・LABUBUになりきって、みんなでダンスタイムです。
・先生の指示に合わせて、「走る」「跳ぶ」「隠れる」など様々な動きを楽しみましょう。
・お話とリズム遊びを組み合わせると、子どもたちの集中力と表現力はより豊かになります。
7 LABUBUの家づくり
・LABUBUの家といっても、冒険のイメージです。
・電気屋さんでもらった大きな段ボール箱が、冒険トンネルになりました。
・中にもいろいろな仕掛けがあり、ワクワクドキドキ。
・みんなでおしゃべりしたり、絵本を読んだりできるくつろぎスペースもあります。
・子どもたちのイメージが膨らみやすいように、いろいろな材料を用意してやり、自由な制作活動を楽しみたいですね。
・大きな仕掛けの遊びの場は、友達と協力する力が育ちますね。
・イメージを共有して、LABUBUの冒険ごっこは盛り上がり、数日続きますよ。

遊びを発展させる関連教材
LABUBUは、絵本『謎のブーカ』に登場したキャラクターです。
単なる読み物としてよりも、様々な遊びに発展させる入口として活用するといいでしょう。
1『謎のブーカ』(MYstery of Buka)
LABUBUが初登場した絵本です。幻想的で少し不思議な世界観で描かれています。
少し難しくても、保育者や親が語り掛けることで、LABUBUの冒険心やキャラクターに親しみを持てるようになります。
2 Labubu Haus Busy Book
モンテッソーリ教育に基づいた手作りアクティビティブック。
LABUBUの家を舞台に遊びながら学べます。
キッチンや寝室などのシーンを使って、着替え・食事・片付けなどの生活習慣を遊びに取り入れることができます。
3 Labubu 塗り絵帳
LABUBUのキャラクターを塗り絵を通して、自由な表現を楽しむことができます。
30点以上のデザインがあり、好きな色に塗ることで、創造性や自己表現を促します。
LABUBUの遊びで気をつけること
1 「LABUBUは怖い」という子どももいます。
・LABUBUは「こわかわ」というキャラクターですから、やっぱりあまり好きではないという子どももいるのです。そんな子どもの気持ちを大切にして、みんなでごっこ遊びをする時には、強制しないように配慮しましょう。
・でも、友達と一緒に遊ぶ体験は大切です。LABUBUにならなくてもいい。その子なりに関われる遊び方を考えてあげましょう。
・ぬり絵遊びで怖くないLABUBUをイメージして描いてみると、少しずつ自分のLABUBUを作り上げて、みんなとの遊びを楽しむことができるでしょう。
・一人一人の思いを大切にしてやりたいですね。
2 遊びで使う用具や小さな部品の扱いに気をつけましょう。
・ごっこ遊びで、その役になりきって遊ぶことはいいのですが、戦いのシーンでつい思いっきり叩いてしまうことがあります。
武器となる小道具の安全な扱いには配慮しましょう。
・LABUBUの飾りに使う小さな部品や制作しながらハサミなどを置きっぱなしにしないように、安全面での扱いには気をつけましょう。
まとめ
LABUBUは、これまで子どもたちが扱ってきたかわいいぬいぐるみとは、ちょっと違う。
「こわかわ」という不思議なキャラクター。
それだけにLABUBUと一緒に遊ぶことは、その子どもなりに想像力を膨らませ、様々な遊びに発展させることができます。
LABUBUは子どもたちの様々な能力(想像力・表現力・協同性など)を引き出してくれる素敵なキャラクターです。
保育者やお母さんが一緒に遊ぶことで、LABUBUの世界はどんどん広がっていきます。
保育の中でならば、様々な遊びに発展させ、創作劇を実現することもできます。
「こわかわ」が「めっちゃかわ」になっていくように、『LABUBUの世界』を楽しみましょう!


コメント