冬の野菜(根菜)って、体を温める力があるんですよ。
でも子どもたちにとって、カレーに入っている人参はまずまずだけど
大根やごぼうなんて、おばあちゃんが食べるものなんていう感覚ですね。
でも冬の野菜を食べて、風邪をひかない強い体を作ってほしい。
これは、お母さんや給食を一緒に食べる保育者の願いです。
私は、幼稚園に38年間勤務していて、大根やごぼうは嫌いだという子どもたちをたくさん見てきました。
でも、ちょっとした方法で子どもたちは「頑張って食べてみるよ!」と意欲満々になるのです。
この記事では簡単なペープサートを使って、子どもたちが根菜(冬の野菜)に親しめるようになる取り組み方をお伝えしますね。
保育者だけでなく、お母さんもやってみませんか?
『大根にんじんごぼう』のペープサート遊び
『大根にんじんごぼう』のお話
まずは、全体のストーリーをしっかりつかんでおきましょう。
〈登場キャラクター〉
3つの登場物。
それぞれのキャラクターの特徴をとらえて、表現してくださいね。
大根・・・白くてやさしい
にんじん…赤くて明るい
ごぼう・・・元気で、やんちゃ
〈ストーリー〉
大根くん、にんじんさん、ごぼうくんは仲良し3人組
今日も、寒さに負けず、外で元気に遊びました。
元気に遊びすぎて、体中、泥だらけになってしまいました。

3人は、お互いを見て笑いました。
楽しかったね~
でも、こんなに泥だらけになったら、きっとお母さんに叱られるよ。
それに、寒くなってきた。
そこで、3人はお風呂屋さんに行くことにしました。
まず、大根さんが湯船に入りました。
気持ちいいね。
どろんこがついているところは、石鹸つけてゴシゴシ。
まあ、大根さんは、真っ白になってしまいました。
人参さんは、湯船に長くつかりました。
ババンババンバンバン~♪
歌まで歌って、とっても気持ちよさそう。
あんまり長くつかっていたので、
あらら~
にんじんさんは、オレンジ色だったのが、真っ赤になってしまいました。
ごぼうくんは、まだまだ遊び足らないのか
湯船にもつからず、
シャワーをもって、鉄砲みたいにみんなにお湯をかけて遊びました。
ごぼうくんの体の泥は、まだ付いたまま。
ごぼうくんは、茶色の体のままでした。

『大根にんじんごぼう』のペープサート
ペープサートは、複雑な形より特徴をとらえたシンプルなものの方が理解しやすいです。
大根・・・白と緑
にんじん・・・オレンジ(赤)と緑
ごぼう・・・茶と緑
遠くから見ても、何の野菜かはっきり分かるようなデザインがいいですね。
また、見せるだけでなく、一緒に作ったり遊んだりすることも学びにつながりますよ。
〈お風呂に入る大根にんじんごぼう〉

このペープサートをひっくり返して
↓
〈シャボンできれいになった大根・湯船で赤くなったにんじん〉
ごぼうは、裏返しても同じ茶色
温泉マークは、シャボンの絵です。

ベープサート遊びで気を付けること
1 動きはゆっくり大きく、わかりやすく
・幼児は、大きくはっきりした動きの方が理解しやすいです。
・ペープサートを左右に振りすぎると、見えにくいです。
視線がついていかず、目がまわりそう。ゆっくり過ぎるくらいの動きが望ましいです。
・キャラクターが、きちんと子どもの方を向いているようにしましょう。
保育者自身が見て演じようとすれば、ペープサートは子どもに背を向けることになりますよ。
気を付けて!
保育者は、子どもの表情を見ながら演じましょう。
2 子どもの見えやすい位置を意識する。
・手で、ペープサートを隠してしまわない。
・ペープサートは、胸より少し上で動かしましょう。
・子どもの視線の高さに合わせましょう。
3 キャラクターの特徴に合わせて、声のトーンを変える。
・大根は、ゆっくり。にんじんは、落ち着いて。
ごぼうは元気いっぱい。というように、保育者がイメージしているキャラクターを演じてください。
・声の違いで、子どもたちは物語の世界に入っていきやすいです。
・ただし無理に声を出しすぎたり、オーバーに演じたりすると、お話のイメージが壊れてしまう恐れがあります。
・保育者の声を痛めることのないように、自然な発声で表現しましょう。
4 長すぎない構成にします。
・幼児に見せるのは、3~5分が最適です。お話ダラダラはNG!
・子どもたちも参加できるように、見ながらでも一緒に動作したり、掛け声をかけさせたりして、飽きにくい工夫(参加型など)が大切です。
・キャラクターのセリフは、子どもたちが一緒に言えるようにリズミカルにすると効果的です。
5 子どもたちの反応を意識しながら進めます。
・「これ、知っているよ。」「にんじん好き。食べれるよ。」といった子ども達の声を拾ってください。
子どもと保育者の一体感が生まれます。
・逆に、子どもたちの反応を無視して進めると、子どもの集中力は途切れます。
「おもしろくない・・・」となってしまうかも。
・予定通りに進まなくても、子どもの興味の方向を優先してくださいね。
6 安全面への配慮を忘れないでください。
・ペープサートの支柱が抜けたりしないように、しっかり固定しておきましょう。
・子どもが扱うときには、支柱が友達の顔に当たったりしないように気を付けてみましょう。
・ペープサートの角は、丸くします。
・目や鼻に付属のパーツを使うときは、間違って誤飲しないようにしっかり固定しておきます。
・保育者が演じる時、子どもたちが近づいても危なくないように距離を取っておきます。
7 導入とまとめを丁寧にします。
・なぜそのベープサートをするのか、保育者の意図を込めましょう。
・冬の野菜は体をぽかぽかにしてくれるんだって
→ どんな野菜があるかな?
→ どんな野菜が好きだった?など、導入と振り返りを大切にしましょう。
・ペープサートの後に、様々な遊びに展開していくといいですね。
ペープサート遊びからの展開
〈お風呂屋さんごっこ〉
新聞紙をお湯に見立てて、段ボール箱の中に入れます。
みんなで一緒に入って遊びます。
子ども同士のふれあいは、ギューギューでも楽しいのです。

〈野菜の当てっこゲーム〉
・本物の野菜を並べておきます。
・目隠しをして、触った野菜の名前を当てます。
・一つ一つの野菜をしっかり触ってみましょう。
・野菜の重さ・形・手触り・匂いなど、それぞれの特徴に気づくことができたらいいですね。
・同じ野菜でも、「どっちが長い?」「どれが重いでしょう?」など比べるのも楽しいです。
・「ごぼうって長いね」とか「大根は重いね」などの発見は、野菜に親しむことになりますよ。
〈野菜のスタンプあそび〉
・野菜を輪切りにしてみましょう。
・絵の具のスタンプ台でペッタンペッタン。形の組み合わせで、楽しいデザイン遊びになります。
・野菜の切り口が、とってもきれいな形のものもあります。「青梗菜って、バラの花みたいね」
いろいろな色で楽しんでみてくださいね。
お風呂ごっこに展開の指導案

野菜(根菜)の出てくる絵本
〇『どんどこどん』 作*和歌山静子 出版*福音館書店
・土の中で育つ根菜が、次々と登場する絵本。
人参、じゃがいも、さつまいも、さといも、ごぼう、そして最後に大きな大根が現れます。
・ページいっぱいに描かれた根菜の姿は迫力満点
・冬の野菜の魅力を楽しむことができますよ。
〇『だいこん にんじん ごぼう』 作*倉橋はすみ 出版*森のえほん館
・この記事の内容です。日本の昔話がもとになっています。
・「どうして大根は白いか?人参は赤く、ごぼうは茶色か?」そんな素朴な疑問が物語になっています。
・冬の旬の根菜が、温泉に入るというユーモラスな展開に子どもたちは大喜び。
・お風呂ごっこに展開でき、友達関係も高まります。
〇『やさいむらのなかまたち・冬』 作*ひろかわさえこ 出版*偕成社
・やさいむらに住むたくさんの野菜、一つ一つの特徴を描いています。
・その野菜のルーツや栄養素、保存法など、大人でも知らなかったことが書いてあります。
・野菜について知ることで、野菜たちとますます親しくなれる絵本です。
・知識的にも詳しく書かれていますが、とってもやさしい色やタッチで描かれていますから、
小さい子どもにも抵抗なく手に取って読むことができますよ。
〇『おおきなかぶ』 作*ロシア民話・トルストイ再話 出版*福音館書店
・おじいさんが畑に植えたかぶが、とてつもなく大きく育ちました。
「うんとこしょ、どっこいしょ」と引っ張っても抜けません。そこで、おばあさん、孫、犬、猫、最後には小さなねずみまで加わり、みんなで力を合わせてようやく抜けるというお話です。
・繰り返しのリズムと掛け声が楽しくて、子どもたちが参加して読み聞かせできる絵本です。
・小さな力も集まれば大きな力になるという『協力の大切さ』を伝えています。
・リズム感ある言葉と繰り返しのストーリーで、劇遊びに展開しやすい内容です。
・牛乳パックで、お話遊びもできました。

牛乳パック人形については、こちら!
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まとめ
夏の野菜に比べると、冬の野菜は地味な感じ。
でも生で食べることが多い夏の野菜に比べ、しっかり煮込んだものが多いから体は温まりますね。
そんな根菜に親しめるように、ペープサートを使って保育を展開しました。
しかし、ペープサート遊びは、野菜に対する興味の入り口にしかすぎません。
いろいろな遊びにつなげていくことで、子どもたちはもっともっと野菜に関心をもってくれるでしょう。
実際、自分が触った野菜に対しては身近に感じ、親しみも増します。
この記事の遊びの展開の中にもありますが、本物の野菜にもどんどん触れさせてください。
一緒に簡単なクッキングへの挑戦も効果的です。
野菜嫌い!という抵抗感をなくせば、子どもたちの食生活は豊かになりますね。
冬の根菜をどんどん食べて、
体は、ぽかぽか~
風邪をひかない元気な体づくりをめざしましょう!
保育者のみなさん、ぜひ子どもたちと楽しいペープサートを作って遊んでくださいね。

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