子どもたちのシール交換は、ますますヒートアップ!
小学生のシール交換でも「これはレートが高い!」とか、「偽物だった」という言葉が飛び出すと
親としてはびっくりしますよね。
それでも楽しく交換できて、我が子がうれしそうにしていたらいい。
しかし、あちこちでトラブルは起きているのです。
トラブルに対処するのは大変だからと、持ってくることを禁止した学校もあります。
しかしシール交換がなくなったわけではありません。
トラブルに対して、しっかりと向き合わせることが大切です。
大人としての適切なサポートは、シール交換のトラブルを子どもたちの成長のチャンスに変えていきますよ。
私は38年間幼稚園教諭として、また、小学校の学童保育の支援員として、多くの子どもたちの仲間関係に付き合っています。
保育者養成短大の学生には、遊びと子どもの人間関係について講義しています。
ぜひ、この記事をシール交換トラブルの対処の参考にしてみてください。
シール交換トラブルはなぜ起きる?
シール交換の現場では、お互いのシールブックを見せ合い
「それ、かわいいね」「私、そのシール好き!」「いいなぁ」「ほしい!」という感情が飛び交っています。
ここで、
A「それ、ほしい」 B「じゃあ、私はそっちがいい」 A・B「いいよ」と交渉成立。
これならばトラブルは起きません。
ところが
A「それ、ほしいな」 B「えー、これレート高いよ」「どうしようかな~」
A「いいじゃん、この前は高いシールあげたよ」
B「他のじゃダメ?」
A「だって、それ私もっていないから、ほしい」
B「これは、あげられないよ」「他のにして」
A「もう、いい」「けち!」「あんたとは、もうしない!」と交渉決裂。
これからは、友達関係もやめるという事態にまで発展してきました。

〈シール交換トラブルの原因〉
・子ども同士の「好き」と「ほしい」が一致せずに、感情がぶつかっている。
・シールに対して、「かわいい」「かっこいい」という見方と、「レートが高い」「希少のものである」というとらえ方など様々であり、シールに対しての価値観の違いがトラブルにつなかっている。
・大人にとっては、たかがシール。
しかし、子どもにとっては、苦労して手に入れた大切な宝物。
シール交換にまつわるトラブルは、大問題となるのです。
シール交換トラブル・よくあるパターン
一度はスムーズにいったように見えたシール交換でも・・・
落ち着いて考えてみれば・・・
1 後で落ち着いて考えたら、自分が渡したシールはレートが高いものだった。そのことを親に指摘された。
→ 自分が、とっても損したような気持ちになった。
2 後で、相手から「あれは、レアシールだったから、やっぱり返してほしい」と言われた。
→ 自分も欲しいシールだったから、返したくない気持ちである。
3 自分が欲しいシールをYちゃんが持っていた。自分のものと交換してもらいたくて、何度も
お願いしたのにダメと断られた。
→ 友達ならば交換してくれてもいいのにと、腹が立った。そして、友達をやめたくなった。
4 たくさん持っている友達のAちゃん。それに比べて、私はまだ一冊だけ。
Aちゃんは、新しいシールを貼っていく場所がないから、交換したシールを貼る場所を作るために私に、ちゃらいシールをくれようとした。私だって、レートの高い本物シールが欲しい。
→ Aちゃんは、あんなに見せびらかさなくてもいいのに。悔しくなった。
5 私がおとなしい性格だと思っているのか、Mちゃんは、私のシール帳から10枚も取った。
「いいでしょ!一番いいものをあげるから・・」と自分のシール帳からくれたのは、1枚だけ。
→ 普段から「いや」「ダメ」が言えない私。そのことをわかっていて、Bちゃんにごまかされてしまって、とっても悲しかった。
↓
いずれのパターンも、どちらかの子どもが損をしたような気持ちになっています。
シール交換のトラブルが、友達関係、さらには親同士のいざこざにまで発展しそうな恐れすら感じさせられます。
これは
・子どもの性格の違い
・普段からの力関係
・交換条件があいまい
・交換というルールが理解できていない などがトラブルの原因。
このことを考えて、トラブルの対応をしていく必要がありますね。
シール交換トラブル・親がとるべき対応
〇 子どもの感情をケアすること
〇 シール交換のトラブルを学びにつなげていくこと
この2つを考えて対応していくといいでしょう。
1 子どもの気持ちを受け止める。
・「悲しかったね」「悔しかったね」と、感情に寄り添う。
・なぜそうなったかを追求するよりも、まずは子どもの気持ちを落ち着かせる。
2 トラブルの背景を一緒に整理してみる。
・お互い、どの程度交換のルールを理解していたか。
・相手の子は、どう感じていると思うか。
・どこで、行き違いが起きたか。
3 どうすること良かったのかは、子ども自身に考えさせる。
親として正解がわかっていても、それを押し付けるのではなく、子どもから答えを導き出すように助言することが、子どもの学び(社会性の育ち)につながります。
・「あなたは、どうすれば良かったと思う?」
・「相手にどうしてもらいたい?」
・「次は、どうしたらいいと思う?」
4 必要に応じて、相手の親と話をする。
あくまでも子ども同士の問題として、親同士感情的にならず、どのようにサポートしていけばいいかを話し合う。
・それぞれの子どもの気持ちを大切に受け止める。
「うちの子は、このように感じていたようです。」と事実を冷静に伝える。
5 シール交換を、今後も続けるかどうかを考えさせる。
続けるならば、ルールを作り、みんなで共有できるようにしてやる。
・シール交換の前に、「本当にいい?」と確認をとる。
・レアシールなど大切なものは、すぐには交換しない。
・納得して交換したのだから、後々まで文句を言わない。
・迷った時には、その時は交換しない。考える時間を作る。
安心して遊べるシール交換とは、みんなで作ったルールを守ること
シール交換に代わる遊びのアイデア
シール交換は、楽しい遊びです。
友達と交渉したりしながら、自分のシール帳を自分の宝物にしていくことは、自己実現に向けてがんばる子どもを育てます。
しかし、トラブルが起きた時の嫌な気持ちやトラブルがしょっちゅう起きることを考えたならば、シール交換に代わる遊びに目を向けてもいいでしょう。
コレクションとしてのシール帳
〇 自分のシール帳を充実させる。
・お気に入りのシールのベストテンを決める。
・自分なりのルールで、シールを並べ替える。
〇 シール帳を友達と見せ合う。
・シール交換はしない。
・どのようにシールを集めたかを披露する。(苦労話など)

このシール、なかなか買えなかったんだよ。
一人一シートしか売ってくれなかったから、家族で並んで買ったんだ。
だから大切なシール。
絶対に交換しないよ。
・自分なりの次の目標を発表する。
オリジナルのシール制作遊び
〇 シールを使ったアート制作
・一時期流行りましたね。大中小の丸いシールだけを使って、絵画表現するのもいいですよ。
・自分が描いた絵を、シールを貼って表現していくのです。シールをはがすという作業は、シール交換でもある作業。目標に向けて集中して取り組むことで、達成感を味わうことができます。
〇 オリジナルシールづくり
・好きな絵を描いて、その上をラミネートすればいいです。
・裏には両面テープを使って接着できるようにすると、シールのように扱えます。
・ドロップシールのように厚みをつけるならば、綿で膨らみをつけていました。
子どもたちは、大人以上に創作能力があります。
下のペンギンシールは、紙にペンギンの絵を描いて薄く手芸用の綿を挟みふくらみをつけました。ドロップシールのつもりです。
子どもたちは自分だけのシールだと喜んでいました。

オリジナルグッズ作り
〇 ワッペン・ストラップ
・フェルトを好きな形に切って、油性ペンで動物の顔を描きました。
・裏にリボンや毛糸を輪にしてつけると、ストラップの出来上がりです。

・本物のシールを見ながら、いちごワッペンを作ってみました。

〇 ペンダント
・ひもを長くしたら、ペンダントになりました。自分が作った世界に一つだけの宝物です。


お店屋さんごっこ
ペンダントやワッペンがたくさんできました。
アクセサリーグッズの売り買いごっこは、楽しいですよ。
友達とのコミュニケーション力が育っていきます。
やり取りの練習ができて、ルールがしっかり理解できるようになったら、いずれはトラブルのないシール交換も可能になりますね。
手作りシールを中心に、シール屋さんごっこに発展するといいですね。

体を動かす遊び
シール交換は、どうしても部屋の中での遊びになってしまいます。
時には、外で思いっきり体を動かして遊びましょう。
鬼ごっこ・ボール遊び・砂遊びなど体を思いっきり動かして遊ぶと、気持ちも切り替わります。
ルールのある遊びによって、友達とのかかわり方を学んでいくことになりますね。
〈友達とのかかわり方を学ぶための要素〉
・ルールを理解する。
・順番を待つことを知る。
・いざこざが起きた時、自分の思いを表現する。
・友達の気持ちを想像する。
これらの経験は、シール交換のトラブル時に自分の力で解決しようとする力を育てることにつながると思います。
シール交換トラブルに対して専門家からのアドバイス
シール交換で育つものはたくさんあります。
いくつかの視点から、何に気をつけて遊ぶことが大切かをお伝えします。

〈発達心理の立場から〉
シール交換は、交渉力が育ちます。
・嫌なら「いや!」と自分の思いをはっきり表現することが大切
そのためには、相手の言葉に乗せられず、流されずに、自分の思いをはっきりしていないといけませんね。
・親がトラブルに介入するのではなく、解決するために自分で考えるという時間や場、雰囲気を作ってあげるといいですね。

〈教育の立場から〉
シール交換は、コミュニケーション力が育ちます。
・ルール理解や相手への配慮が必要ですね。やりとりを経験しながら少しずつ身につけていくといいでしょう。
・低年齢では難しいこともあります。
トラブルが続く場合には、交換ではなく ”見せあいっこ”や”創作シール遊び”で
シンプルな遊び方を楽しませていくことがいいですね。

〈保育現場の立場から〉
シール交換トラブルは、人間関係を築くための ”学びの場” です。
・交換の前に「本当にいい?」「後で返してって言わない?」というような確認の習慣をつけさせるといいですね。
・相手に確認を取っているようであって、自分自身の気持ちをはっきりと自覚することにつながります。合意形成の大切なスキルを身につけさせたいですね。
・親としては、子どもの成長の機会だと思って、プロセスを見守ってやるといいでしょう。
・親同士のいざこざにならないためにも、シール交換トラブルは、子ども同士の問題だと割り切り、子どもの成長をサポートしてあげましょう。
まとめ
今、子どもの世界だけでなく、若い女性の中でもシール収集が盛んになっています。
それだけに子どもたちからは、お気に入りのシールがなかなか手に入らないという嘆きも聞かれます。家族が協力して購入のために列に並んだとか、せっかく買っても偽物だったとか・・・
そんな状況の中でのシール交換だから、熱が入りすぎてトラブルが起きてしまうこともあります。
しかし、このシール交換トラブルは、子どもの成長のチャンスになることを考えてはいかがでしょうか?
記事の中でも、シール交換における子どもの成長についてはお伝えしてきました。
〇シール交換トラブルは
「友達と交換」「お互いのシールにいいねと共感」「交換するかどうか自己主張」などの場面があり、交渉力や自己表現力を身につける学びの機会です。
せっかくの学びの機会を、シール交換禁止とかでなくしてしまうのはもったいないですね。
〇親として、シール交換トラブルに対して
×「トラブルを解決してあげる人」
〇 自分たちで交換のルールを作ったり、トラブルの解決方法を考えようとする
「子どもの考えるをサポートする人」
〇シール交換に代わる楽しい遊びもたくさんあります。
嫌な思いをしてまで、シール交換を続ける必要はありません。
みんながするから、自分も・・・ではありません。
自分は何をすることが楽しいか、何をしたいのかを少しずつ考えて行動できる子どもになってほしいと思います。
子どもたちは遊びをつくる天才です!
次はどんな遊びを考えてくれるか、期待したいです。
どんな遊びにもトラブルは付き物です。
恐れないで、トラブルは学びの機会だと捉えていきましょうね。

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