幼児期の問題行動は発達障がいの兆候?見分け方と親としての対応の在り方

問題行動

幼児期の子どもは、とても個性豊かです。
しかし我が子の遊ぶ様子を周りの子どもたちと比べてみて、なんだかちょっと変?と感じた時には、
親としてとっても心配です。
パパに相談してみたら、「子どもって、そんなものじゃない?」とか「おれも小さい時には、そうだったよ。」と取り合ってくれなかったりするとママは一人で悩むことになりますね。
おばあちゃんに相談したら「うちの家系には、そんな(発達障がい)遺伝子はありませんからね!」と強い口調で否定されてしまった方もおられるでしょう。

子どもの成長過程には心配な事がたくさんあり、特に我が子がもし発達障がいだったらどうしよう
本当に悩みますね。

そんな時、親として子どもの問題行動とどのように向き合えばいいでしょうか?
我が子の問題行動を個性と捉えるか、それとも発達障がいの兆候と考えるか、その見分け方がはっきり判断できればいいですね。

私は38年間幼稚園教諭として勤めている間、たくさんの子どもたちを見守ってきました。
また保護者からは、問題行動等についての相談も受けてきました。
しかし個性豊かな幼児ゆえに、問題行動を発達障がいだと決断することはとっても難しいです。
ただ早期発見して適切なサポートをすれば、その子どもが困り感なく生活を楽しむことができることも事実です。

今、目の前にいるお子さんの問題行動に対して、親はどうすればいいか、たくさんの事例をもとに一緒に考えていきましょう!

幼児期の気になる問題行動

発達段階によっても違いはありますが、以下のような悩みが多く聞かれました。
〇 乳児から幼児になる段階
1 言葉が遅い
・一語文(ママ、まんまなど一つの言葉)、もしくは二語文(ワンワン来た、にゃんにゃんかわいいなど、2つの言葉で構成されている文章)しか発語しない。
・おしゃべりをしようとしない。
2 動きが遅い
・歩きが遅い。
・指先がうまく使えず、物の取扱いが大雑把である。
3 基本的生活習慣が身に付かない
・おむつがとれない。
・食事が自分でできない。
・固形物の咀嚼に時間がかかる。
4 周囲への興味・関心が薄い
・おもちゃを見ても、子どもらしい喜びの反応をしない。
・話しかけても、視線が合わない。
・表情に乏しい。

〇 幼児期にかけて
5 友達関係がうまくいかない
・すぐに友達とぶつかる。(噛みつき、乱暴、ルール違反など)
・友達と会話がかみ合わない。(話が一方的)
・友達と協同作業ができない。
6 身の回りのことができない
・片付けができない。(物の分類が分からない)
・自分のものと友達のものとの区別がつかない。
・生活のリズムがバラバラで、時間の感覚が分からない。
7 こだわりが強い
・遊び始めたら、納得のいくまで終わらない。
・食べ物に好き嫌いが多い。
・着るものも自分のお気に入りだけで、季節や天候は関係ない。
・人の話を聞こうとせず、自分の気に入らないことがあれば、場を考えずに泣き叫ぶ。

あっ、これ!と、お子さんの行動を思い浮かべてピッタリするものがあったのではありませんか?
しかし、上記の行動をとるからと言って、それは発達障がいだとは言えません。
芸能界や歴史上顕著な功績を遺した方の中には、このような行動をとっていても、特性・個性だと捉え能力をいい方向に伸ばしていき、活躍した方がたくさんおられます。

つまり問題行動は、見方を変えればすばらしい個性に生まれ変わる可能性をもっているということです。早くから発達障がいではないかと悩まないでください。

幼児期の問題行動に対して、親ができること

  1. お子さんの行動をしっかり見つめてください。
    どのような時に、その問題行動が起きるのでしょうか?
    行動の「頻度」「状況」「持続時間」はどうでしょうか?
    きちんと向き合うためには、できれば観察した行動の記録を取っておいた方がいいでしょう
    動画や音声などでも、お子さんの様子がよくわかりますね。
    それが発達障がいの兆しなのか、それとも成長の一過程に表れる行動なのか(例:赤ちゃん返り)個性として見守るだけでいいのか、専門機関に相談に行って適切な助言を受ける時に記録はとっても役に立ちます。
    発達障がいだと指摘されることが怖くて、お子さんを欲目に見てしまいがちになりますが、正確にに記録しましょう。
  2. 幼稚園や保育所での行動はどうなのか、たずねてみましょう。
    お子さんによっては、甘えからパパやママの前だけということもあるし、その逆も考えられます。
    幼稚園や保育所と連携をとりながら、対処の方法を考えていくことが大切ですね。
  3. 必要に応じて、専門機関につないでもらい、適切な支援サービスを受けましょう。
    程度の差により、様々な支援の仕方があります。
    幼稚園の保育時間に、定期的に専門機関に行き支援を受けるという方法もあります。
    保育を抜けて「お勉強に行ってきまーす!」とみんなに手を振って、発達センターに行くのだと張り切るお子さんの姿が見られました。
    ママも一緒に参加することになるため、実際にお子さんに対しての支援方法を参観できて、いい勉強になると思いますよ。
  4. 家庭で、親ができることは何かを考えてみましょう。
    問題行動が、お子さんの個性であれ、発達障がいにつながるものであれ、今一度、家庭での生活を見直してみるといいですね。
    大切なことは、現在のお子さんが困り感を持たずに楽しく生活していくことが一番です。
    お子さんに対しての関わり方や家庭の環境・雰囲気など見直すことで、お子さんの生活がのびのびしたものになり、問題行動が目立たなくなることがあります。
  5. 親のせいではないということを理解しましょう。
    夫婦関係がうまくいっていないと、お子さんの問題行動をパパやママどちらかに罪をなすり付けてしまいがちです。
    どちらが悪いということは、絶対にありません!
    こんな時こそ、パパとママで力を合わせていきましょう。

Y先生
Y先生

 〈エピソード・・行動がゆっくりな4歳児K子ちゃんのこと〉
K子ちゃんは、何をするにものんびり。
穏やかな性格だと思えばいいのですが、幼稚園生活においてはもう少し機敏に動くことがあってもいいと思いました。
お母さんも、大してK子ちゃんの行動を気にしているようではありません。
そこで、Y先生はK子ちゃんの動きを気をつけて観察してみることにしました。
・運動はとっても苦手で園庭で遊ぶ時にも、みんなの動きについていっていない
・タイヤ跳びでは、低い位置からでもバランスを崩して落ちてしまう。
すべての行動がスロー。しかし、時間はかかってもきちんとやることはできる。
・穏やかな性格なので、友達とは仲良く遊べるが、スピード感のある運動にはついていけない。ドッジボールなどはボールが取れないし、よく落とす。
                                  など
Y子先生は、ふと気づきました。
ひょっとしたら、K子ちゃんは視力に問題があるのでは?
そこで眼科医ではなく、幼児であってもじっくり視力検査をしてくれる市内の盲学校につないだのです。
結果は、かなり視力が悪く、よく見えないことで生活に支障がきているということが分かりました。

K子ちゃんの行動に問題があるのは、知的でも運動的でもなく視力の問題だったのです。
K子ちゃんは、それからメガネをかけました。
そうすると幼稚園でも行動がスムーズになり、どんどん活発な子どもになりました。

発達障がいではなかったことがはっきりしたK子ちゃん。
どうしてママはK子ちゃんの視力が悪いことに、それまで気が付かなかったのでしょうか?
生まれてからずっと慣れ親しんでる家の中では、K子ちゃんは大して不便は感じていなかったのですね。
さらにY先生は眼科医ではなく、盲学校で検査を受けることを勧めました。
眼科医でも病気の発見は出来るでしょうが、幼児に対しての視力検査に慣れていない所もあり、十分な判定がつかないかもしれません。その点、盲学校には幼稚部があり、視力検査をしっかりすることができたということです。

問題行動5例と発達障がいとの見分け方

①癇癪が激しい

2歳の男児H男
自分の思い通りにならないと、すぐに「いやだー!」と文句を言いだす。
ママが聞かないと、地団太を踏んで声を上げる。
床に寝転がって、時には手足をばたつかせて30分以上泣き叫んだりする。
所かまわず、体中で自己主張する。
スーパーに行って、お菓子を買ってもらえないと、その場で泣き叫ぶ。

【見分け方のポイント】
・年齢的なことを考えると『イヤイヤ期』の一時的な行動だとも考えられる。
・しかし頻度が極端に多かったり、ママやパパの言葉をまったく聞こうとしなかったりすれば要注意です。
・発達障がい(特に、ASD・・自閉症スペクトラム症)の子どもは、感情のコントロールが苦手で、癇癪が長引く。

『イヤイヤ期』については、こちらをどうぞ!
      ↓

②言葉が遅い

3歳の女児S子
3歳になっても、犬や猫を見ても「ワンワン」「にゃんにゃん」と単語での発語しかない。
「ワンワンかわいいね」とか「パパ帰ってきた」というように二語文が出てこない。
また、絵本などにも興味を示さなかったり、ママの指示を理解できなかったりする。

【見分け方のポイント】
・個人差は、とっても大きい。
家庭環境は、言葉の発達に大きく影響する。
・しかし、3歳児になって二語文が出てこないのは発達の遅れのサインだと考える。

③集団行動が苦手

4歳の女児S子
保育園で友達と遊ばず、一人で黙々と折り紙遊びをしている。
先生が誘いかけても、みんなの中に交って遊ぶことを嫌がる。
自分の気持ちが乗らない時には、先生の指示に対しても反応が薄い。

【見分け方のポイント】
・子どもによっては、一人遊びが好きな子どももいる。
・友達や先生に誘われても、みんなと一緒に遊ぶことを嫌がる。
・その発達年齢の子どもが一緒に遊んで楽しいと言う遊びにも関心を示さず、拒否する。
自分の好きな遊びならば落ち着き、何時間でも一人で遊んで平気である。
・先生の指示にも反応が薄く、集団活動に参加しない
他児への関心が極端に低い模倣行動が見られない場合は注意。

④こだわりが強い

〈5歳の男児R男〉
・着るものに、とてもこだわりをもつ。
・自分の好きな色の服ばかりを着たり、汚れていても同じ靴ばかりを履く。
・スパッツが夏になっても脱げない。母親が暑くなったから脱ぐように促しても、膝が見えることに抵抗をもち、無理やりに脱がそうとするとパニックを起こす。
・自分が決めたルーティンが崩れるとどうしていいか分からない。

〈4歳の女児L子〉
・お弁当に、毎日、白ご飯とチーズしか入れていない。(母親もしかたなく、そういうメニューになってしまったと嘆く)
・偏食が多く、見慣れない食物は箸を付けなかったり、においをかいで確かめる。

【見分け方のポイント】
・幼児にも『お気に入り』はある。赤ちゃんの頃から使用しているタオルやぬいぐるみを傍においていないと眠れない子どももいる。
・しかし、上記例のように、生活や発達に支障が出るほどのこだわりは、発達障がいの特である。
・ASDの子どもは、感覚過敏(音やにおいや光など)の場合が多い
自分なりに決めたルール通りでないと行動できないことが多い。今日の予定を時系列で何度も確認する。

⑤状況(場)によって、話ができない

〈6歳の女児N子〉
家の中でならば話をするが、一人でも知らない人がいると全く話さなくなる。
幼稚園在園2年間のうち、先生の指示は理解してみんなと同じようにできたのだが、担任の先生が聞いたA子の発言は「ハイ」という言葉だけだった。

【見分け方のポイント】
・幼児には、人見知りの強い子どもがいる。
・内弁慶という言葉もあるが、明らかに上記の例は場面緘黙だと言える。
・指示は理解でき、みんなと話はしなくても一緒に行動はしているため発達に遅れがあると判定できないが、人間関係を築いていくことに問題がある。

問題行動に対して、家庭でできる関わり方

家庭環境(親の養育態度)の見直し

パパやママが悪いのではありません。
しかし子どもの性格は、良くも悪くもパパやママの遺伝子要因生活態度が、子どもに十分に影響しています。
お子さんが発達障がいでなくても、生活していく上で困り感をなくすための改善は必要かもしれません。

問題行動③のケース・・・集団行動が苦手
子どもの世界でもゲームが流行してきた時の事、家ではポケモンゲームにのめり込んでいた5歳児T男。
とにかく負けず嫌いで、幼稚園でもルールのある遊びでは自分が負けてしまうと癇癪を起していました。自分が勝ちたいために、ルール違反でもやってしまいます。お母さんは、勝気な我が子を時にはもてあまし、家事が忙しい時などは、ゲームならば集中して一人遊びをしてくれるため
ゲーム機を渡していました。

ところが保育中、みんなが先生の話を聞いていた時にT男は落ち着きません。先生はT男に注意しました。その時、突然にT男は「ピカチュウ!」と叫んでピカチュウの模倣をしたのです。T男は、それからは時々自分がやりたくない活動になるとポケモンの空想の世界に逃げ込むようになってしまったのです。

幼稚園は、発達支援センターとつないで、T男はサポートを受けることにしました。
家では、ゲームをできる限りしないように、ママにお願いしました。
知能的には遅れはないものの、感情のコントロールがむつかしいT男。
幼稚園では、できる限り体をしっかり動かして友達と一緒に遊ぶことのおもしろさをわかってもらうような保育に努めました。
時間はかかりましたが、小学校に入学する頃には、負けても我慢することができるようになってきました。
負けてもいいんだという思いを伝えることが大切でしょう。

【問題行動⑤のケース・・・話をしない】
担任の先生が、A子のママに対しての印象は、『非常に意志の強いしっかりしたお母さん』でした。
先生が、A子に尋ねる時には、いつもママが答えました。
いつもA子はママの後ろにいました。
つまり、このしっかりしたお母さんのお陰で、A子は話す必要がなかったのです。

成人したA子は、その頃のことを振り返って話しました。
とにかく強いお母さんで、意見が違っても、私はお母さんに言い返すことはできなかった。

それでもA子は幼稚園で話はしなかったけれど、幼稚園での友達と過ごす楽しさは分かっていたのです。
A子は、自分の思いを表現する大切さを知り、お母さんと対立しながらも自立していきました。現在、子どもが自由にのびのび遊ぶことができるような幼稚園を作って、活躍中!

子どもの困り感をなくす

【問題行動④のケース・・・こだわりが強い】
どうしてもスパッツを脱いでもらいたかったR男のママ。
幼稚園の先生に相談しました。
無理やり脱がせることは、絶対に難しい。
このことでパニックになり、もう幼稚園に行かないと言い出すと元も子もありません。

そこで、先生はR男のスパッツを毎日5ミリだけ、ハサミを入れて短くしていくことを提案しました。ママは毎日、R男に気づかれないようにスパッツを短くしていきました。
2週間もたてば、R男の膝は見えてきましたが、R男は平気でした。
最終的に短くなったスパッツを見て、ママはR男に「すごい!Rちゃん大きくなったんだね。
お兄ちゃんになったから、赤ちゃんの時のスパッツはもう脱ごうか?

R男は、すんなり受け入れました。

知的にそれほど遅れはなかったけれど、一つ一つにこだわりが強くママは悩みましたが
無理強いすることなくR男の意志を尊重するようにサポ-トしてきました。
そんな中で、R男はのびのび成長し、現在、高校の野球部で活躍中!

親も一緒に成長

今、スマホからは子育て情報がどんどん流れてきます。
「何歳までには、~ができないといけない!」とか、「子育てには、~を習わせるべき」とか。
あふれんばかりの情報に、何を信じればいいのかと悩みます。
ワンオペ育児には、このような情報はうれしいのですが、それは正確でお子さんの状態に合ったものでしょうか?
家庭での子育てに協力が得られなかったり、子育てが楽しいと思えずに悩んでしまう時には、幼稚園や保育所の先生に相談するといいですね。

【問題行動②③のケース・・・集団の中で話ができない】
4歳児H男は、おとなしい子どもで、自分の思いを言葉で表現しようとしません。
すべての活動に対して遅れがちであるため、友達とも楽しく遊ぶことが難しい状況でした。
幼稚園の先生は、H男の様子をじっくり観察してみました。指示したことを一つずつ段階を追って指導していくと、本当にゆっくりですが頑張って取り組むのです。
ある日のH男の弁当を見て、ビックリしました。
幼児の弁当と言えばキャラ弁が流行っていた頃でしたから、他の子どもの弁当はかわいらしく、子どもが食べやすいように作られています。
しかし、H男の弁当には、なんとゆで卵が1個まるごと、他のおかずもコロッケ1個、というように素材そのまま調理した形で入っていたのです。
これでは、4歳児のお弁当とは言えません。
家では排泄もトイレではなく、紙パンツにわざわざ履き替えてするということをお母さんから伺いました。

先生は、H男は経験不足から、すべての行動が遅れがちなのではないかと予測して、お母さんにそのことを伝えました。
お母さんも無口な方でしたが、翌日先生にお手紙が来ました。
子どもの弁当をどのように作ればいいか分からなかった。トイレトレーニングも理解不足だったということでした。
とても素直に受け止めてくれ、さっそくお弁当の作り方の本を買いましたとのこと。
パパがとても厳しく、子育ては母親の仕事だとまかせっきりになっていたことにも問題があったのでしょう。
お母さんと先生とのやり取りは、連絡帳でしばしば行われ、お母さんもH男の成長とともにしっかりとした思いをもって子育てを楽しまれるようになってこられました。
かわいくて食べやすいお弁当を作ってもらえるようになりH男はうれしそうでした。
ただパパの子育て参加には、あまり変化がなく、今後を期待したいところです。

お子さんの前で、失敗を恐れたりしないでください。
私も保育者になった時には、戸惑いばかりでした。
そんな時に励まし、助言を下さったのは、お母さんたちでした。
子どもたちも、時には先生にいいアイデアをくれたりします。
ひよっこ保育者は、保護者や子どもたちに育てられるのです。
パパやママも子どもたちと一緒に成長していきましょう!

問題行動が、発達障がいだろうかと不安な時

パパやママにも、お子さんの行動が「発達障がいの兆し」だろうと思えた時、きっと不安や戸惑いでいっぱいになるでしょう。
私の育て方が悪かったのかしらと悩むこともあるでしょう。
でも、その不安を抱えたままにしないでください!
今できる一歩を踏み出しましょう。

1 同じ悩みをもつ保護者とのつながりを作りましょう。
地域にはおそらくたくさんのグループがあります。
支援団体・SNS・地域の会など調べてみましょう。

私はヤングアスリートの会のボランティアに行っていますが、障がいのある子どもも障がいのない子どもも一緒に、スポーツを楽しんでいます。
もちろんパパやママ家族みんなで、笑顔いっぱいにスポーツを楽しんでいます。

その活動の様子です。良かったらどうぞご覧ください!
         ↓


2 お子さんの問題行動を隠さないで、周りの助けを遠慮なく受けましょう。
とかく、問題行動を起こした我が子を見られたくないとか、周りに迷惑を掛けるかもしれないとか
隠したくなることもありますね。

〈エピソード〉
A子ちゃんのママは、A子の下に赤ちゃんが生まれたこともあり、幼稚園の送迎に苦労していました。
4月入園して、保護者会でのことです。
A子ちゃんのママは、クラスの保護者全員に向けて話をしました。
A子はおそらく発達障がいだろうということ、しかしA子は幼稚園を楽しみに通園していること、A子は明るい性格だということ。
そして、A子の行動が保育の邪魔をしたり、他の子どもの迷惑になることがあるかもしれないと正直に話しました。
当然、他の保護者はA子の行動を見ていて、ひょっとしたらという思いをもっていたのです。
保護者会で、A子のママが正直に現状を話してくれたことで、決してA子ちゃんばかりではないし、みんなそれぞれに子育ての悩みを抱えていると話しました。
ただ、A子と赤ちゃんを連れての通園の大変さについては「お迎えが遅くなったら、慌てないで一緒に遊んでいますよ。」とか「困ったことがあれば、遠慮しないで」「みんなで助け合って、楽しく子育てしましょう。」と和やかな保護者会になったのです。
それから、みんなの助けもあってA子ちゃんもA子ちゃんママも楽しく幼稚園生活を送ることができました。
きっと助かったのは、A子ちゃんママだけではなく、クラスみんなだっただろうと思います。

3 適切な専門機関につなぎましょう。
どこに相談すればいいかが分からない時には、幼稚園・保育所・こども園そして子育て支援センターなどいろいろあります。
市町村の保健センターや児童発達支援センター、小児科などでも、悩みを聞いてくれますよ。
恥ずかしいと思わずに、まずは相談してみることが大切ですね。
相談のタイミングなどは良かったらこちらも見てください。
         ↓


まとめ

子どもは、本当に一人一人違って個性豊かです。
我が子が気になる行動をしていると、心配になるのは当然のことでしょう。
しかし、発達障がいかどうかにかかわらず、子どもには「その子らしい育ち方」があるのです。
大切なのは、親にとって「気になる行動」、生活していく上での「問題行動」、子ども本人にとって「困っている行動」の背景に何があるのかを知ることです。
その行動の原因となるものを理解して、子どもが安心して生活できるようにしてやりたいものです。

もっとも原因は一つではありません。
また、問題行動も複合的なものであったりして、原因が分かったからと言ってすぐに解決できるはずもありません。
まずは、
① 子どもかが安心して過ごせる環境を整えてやること
② 保護者も一人ではないという事です。
③ 早期発見・早期支援ができれば、適切なサポートによりお子さんも困り感が少なく生活をすることができます。

問題行動をその子の個性特性に変えていくようにしてやりたいですね。
後で振り返ってみたら、いっぱい悩んだけれど、あの時に問題行動を受け入れて、必要なサポートをしたから良かったということになるでしょう。
決して、みんなと同じように行動することがいいのではないのです。
その子の良さとは何かを見つけていきましょう。

私はヤングアスリートの会に参加していて、多くの障がいのある子どもを見てきています。
その中の子どもたちが、自分なりの役割をもち、自信をもって活動することで成功体験を重ね
充実した生活ができるようになってきています。
会の始まりの挨拶担当だったり、ダンスのリーダーであったり
ちょっと照れながらも、堂々と自分の役をこなしている。
得意な動物の絵をたくさん描いて、個展を開いた子どももいます。

それは、とても幸せな成長の姿ではないでしょうか。

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