大人になっても、お気に入りのぬいぐるみの写真を撮ったり旅行したりなど、「ぬい活」が流行しています。
大人のぬい活は、推し活の一部でありコレクションや趣味といってもいいですね。
つまり、自己表現や癒しのためなんです。
一方子どもの ”ぬい活” は、大人のものと似ているようであり、まったく本質が違います。
ぬいぐるみは、子どもの心の発達に深くかかわる ”アイテム” ”友達” と言ってもいいのです。
でも実際は、子育ての中で「いつまで、ぬいぐるみを抱っこして寝ているの?」とか
「お出かけの時にも連れて行くなんて、わがまま言って!荷物が増えるわ。」
「いつも体にくっつけていて、汚いかも~」など、ママの困惑の顔が見えますね。
私は38年間幼稚園勤務、その後、学童保育の支援員として子どもと関わってきています。
また、保育者養成短大で、保育者の卵を育てています。
この記事では、子どもたちの生の姿(ぬいぐるみとのかかわり)を見てきたことをもとに、
「子どものぬい活は、心の発達に必要であり、子どもの生活そのもの」ということをお話しますね。
子どものぬい活とは
子どものぬい活は、大人のぬい活とは違うということです。
子どもの成長に従って、ぬいぐるみとの様々なかかわりありますが、そのことによって育児も楽になってきます。
ママも、癒されるということです。
子どもにとってのぬいぐるみは、心のお友達
〇感情を投影する相手
悲しい時、悔しい時、寂しい時、うれしい時、様々な感情がありますね。
「ヤッター!」「今日は楽しいことがあったんだよ」とか
「あのね、ママ、今日こんなことでね、ぼくは悔しい!」
「縄跳びができたんだよ。」など
遊びや生活の中で、子どもたちはいろいろな感情体験をして成長しています。
その気持ちをタイミングよく、パパやママが受け止めてくれたらいいのですか、いつもできるとは限りません。
ママが相手をするゆとりがない時・・・
そんな時の心強い助っ人が、ベッドや机の上のぬいぐるみなんです。
子どもたちの心の声を聞いてくれるぬいぐるみは大切な存在ですね。
〇安心をくれる相手
「早く寝なさいよ~」とママに言われた時、一人でベッドに入るのはなんだか寂しいなぁ
そんな時に一緒にお布団に入ってくれるのは、大好きなぬいぐるみ。
暖ったかいな~。
幼稚園で、お友達とけんかをした!なんとなく心が寂しいよ。
そんな時に、愚痴を聞いてくれるのは、大好きなぬいぐるみ。
ぬいぐるみと会話をすることで、自然と子どもたちはぬいぐるみに元気をもらっています。
ママがお買い物に行った。
すぐに帰ってくるからお留守番しててって・・・でも一人は怖いなぁ~
そんな時に、一緒にごっこ遊びしてくれた大好きなぬいぐるみ。
一人でも大丈夫!と勇気をもらった子ども。
いろいろなシーンでちょっぴり不安になったときに、心に頑張る力をくれたのは
お気に入りのぬいぐるみでした。

〈ちょっと配慮が必要な子どもにも・・・〉
たくさんの人の前に出ることには、とっても緊張したり不安が強かったり
しますよね。。
でも、T君はお気に入りのぬいぐるみを抱っこしていることで、
安定した気持ちになりましたよ。
みんなの前で、ご挨拶ができました。

〇自立へのステップを支えるパートナー
今までご飯を食べさせてくれていたけど、「もう大きいから一人で食べられるよね」って、ママ。
横を見たら「ほら、大好きなぬいぐるみちゃんもあーんして。」といつの間にか、ママの真似をして、ぬいぐるみに食べさせていた我が子。
そして「今度は僕の番だ。」と、自分で食べていた我が子。
ぬいぐるみに見守られて、成長したなぁ。
トイレに一人で行くのはこわいなぁ
でも、ママが大好きなぬいぐるみをトイレに置いてくれたから一人じゃないんだ。
お友達(ぬいぐるみ)が待っているから、自分でトイレに行けるよ!と頑張る我が子。
様々な生活習慣を身につけていく途中で、どうしても一人では乗り越えられない時があります。
そんな時には、大好きなぬいぐるみに「がんばって~!」と声を掛けてもらいましょう。
勇気を与えてくれて、自分で頑張ろうという気持ちを持たせてくれるのはお気に入りのぬいぐるみ。
ママがつきっきりで我が子に関わらなくても、ぬいぐるみが相手をしてくれます。
これって、育児がちょっぴり楽になるっていうこと。
我が子の成長を見ることは、ママの心の癒しになりますね。
子どものぬい活のメリット
1 情緒の安定
・ぬいぐるみは、安心の象徴です。
・不安な時や寂しくなった時、何か原因はわからないけれどモヤモヤしている時、ぬいぐるみを抱きしめたら気持ちが落ち着く効果がありますね。
2 言葉やコミュニケーションの練習
・子どもたちは、周りの人や友達との遊びの中でコミュニケーション力をつけていきます。
・でも子どもの性格によっては、自分から「仲間にいれて~」が言えないことってありますよね。
そんな時には、まず大好きなぬいぐるみを相手に練習!して、それから「よし、今日はA子ちゃんに声を掛けてみよう」という気持ちになるかも。
3 思いやりや社会性の育ち
・ぬいぐるみは、自分の弟?妹?
ご飯を食べさせたり寝かしつけたりすることは、ごっこ遊びの一つの姿ですね。
・他者を思いやる気持ちを育てることにつながります。
・イメージを膨らませながら様々な活動を発展させていくことは、幼児期の大切な体験です。
〈ぬいぐるみに話しかけたり、世話をしたりすることで〉
・語彙が増える。
・会話のキャッチボールを予行できる。
・ぬいぐるみをかわいがることで、感情表現が豊かになる。
→ 人間関係が豊かに・・・人とのかかわりの発達が促されます。
4 想像力の広がり
・ぬいぐるみは、子どもの想像力を刺激する最高のアイテムですね。
・ストーリーを作ったり、一緒にそのものになりきって冒険ごっこをしたりすることで、自由な発想がどんどん広がっていくことでしょう。
5 自己肯定感を与える。
・ぬいくるみは、無条件で自分を受け入れてくれる存在です。
自分を認めてもらっているという安心感は、自己肯定感につながり、主体的に活動できる子どもに育ちます。
6 ママの心の癒し・・・育児が楽になる。
お子さんが、ぬいぐるみ相手に遊んでくれていると、ママも落ち着いて家事をすることができますね。
育児が楽になるということは、ママの心にもゆとりが生まれます。
時には、ママも子どもだった頃を思い出してフワフワのぬいぐるみに触れることで、心がふっと緩みますね。
ママのメンタルケアになるぬいぐるみです。心の癒しです。
子どものぬい活で気をつけること
1 衛生面
いつも抱っこをしたり、頬ずりしたりするぬいぐるみは、汚れやすいです。
目に見えない汚れはなくても・・・ダニが潜んでいる恐れが!
・定期的なお洗濯をしましょう。
・天日干しがいいですね。
・ダニ対策を習慣的に!
・子どもに影響のない消毒液で、衛生的に!

〈お洗濯に失敗しました~笑〉
真っ白なプードル人形は、我が子のお気に入り。
でも白色はいつの間にか、ベージュ色
我が子の許可をもらってお洗濯しました。
洗い上りは、もと通りの真っ白。
我が子が喜ぶ顔が見えるようでした。
しかし、
乾いてくると、プードル人形の毛はゴアゴア。
それを抱っこして、我が子は怒りました。
私は、いつも使っている洗剤で、ゴシゴシ洗ったのです。
素材がウールであることも関係なしに・・・
ぬいぐるみの素材が何であるかをしっかり確認して、
適切な洗剤(おしゃれ着洗い洗剤)で
やさしく手洗いしてあげましょうね。

2 依存しすぎないこと
ぬいぐるみは、子どもの心の支えですね。
寂しい時や悲しい時には、いつも寄り添ってくれる心強い味方。
しかし、何をする時にも、そのお気に入りのぬいぐるみがないと何もできない状態になると困ってしまうことに。
お子さんの活動の様子や発達の状況に合わせて、少しずつぬいぐるみと一緒に生活する時間を調整しましょう。
ぬいぐるみなしの時間をとることも大切です。
3 子どものペースを尊重
あまりにも幼い遊び方をしていると「こんな遊び方をしたらいいよ」と声を掛けたくなりますか・・・
ちょっと待って!
お子さんの自由な想像力・発想力を大切にしてあげましょう。
ぬいぐるみとの距離(遊び方・ふれあい)は、子ども自身が決めるものです。
尊重してあげましょう。
4 安全性のチェック
フワフワのぬいぐるみは、頬ずりしたくなりますよね。
ビーズ・ボタンなど、取れやすいものはありませんか?
・特に小さなお子さんは、小さな付属品が取れたら、誤飲の恐れがあります。
・破れているところから綿がはみ出ていたりするとぬいぐるみもかわいそう。
破れたからといって、「もう、このぬいぐるみはいらない!」となると、心の成長にひずみ!
↓
定期的にぬいぐるみの身体検査をしてあげましょう!
子どものぬい活を楽しく!
ぬいぐるみとの関りは、発達と共に変化していきます。
子どものぬい活が、心の発達に大きな影響を与えることがわかっています。
自分で、そして親子でぬいぐるみを作ってみれば、もっともっとぬい活は子どもの生活に大切なものになるでしょう。
ビニール袋で、マイドール
本当に身近にある廃材ばかり。
ビニール袋の中に、綿(なければ紙を柔らかくして)を入れました。
セロテープやガムテープで、頭部・胴体・手足をくっつけていきました。
毛糸で髪の毛を作り、フェルトで帽子。
あとは、油性ペンで表情をメイクしました。
余った廃材の寄せ集めでも、できたら友達が一人増えたような気がして、M子ちゃんは大喜びで大切に飾っていました。
幼稚園から帰ったら、「あんなちゃん、ただいま!」と一番にご挨拶です。

花紙で、お友達いっぱい!
友達いっぱい!
カラフルな花紙を使って、お友達をたくさん作りました。
花紙をひねって、人形を形作りました。
破れやすいため、取り扱いはやさしくやさしく。
友達が増えたことは、喜びです。

チョコちゃんのお家ができた!
T子ちゃんと犬のチョコちゃんは、とっても仲良し。
これまでは、ただ抱っこしたり一緒に寝たりしていたのだけど・・・
ごっこ遊びにチョコちゃんが仲間入りした時に、チョコちゃんの家を作ってあげようとなりました。
ママから段ボールの箱をもらって、チョコちゃんの家づくりです。
制作中も、チョコちゃんに話しかけたり歌ったり。
「お腹が空いた?まっててね。ご飯を入れるところ作るから」
「お水もいるね。」
極めつけは、チョコちゃんの大好きな骨も、紙で作りました。
チョコちゃんのエサは、まつぽっくりをばらしたものなんです。
この家を作ってから、ますますM子ちゃんはチョコちゃんと触れ合うようになり
会話が弾んでいました。
チョコちゃんのお世話は自分がするのだと張り切って、主体的な姿が見られるようになってきました。

ぬいぐるみ・さようならの方法
大好きなぬいぐるみが破れたならば、裁縫や接着剤で治療してあげますよね。
でも、どんなに大切に扱っても、年数がたてば古くなってくるもの。
お子さんが成長して、すっかりぬい活が終了してしまったり、引越しなどでどうしてもぬいぐるみを処分しないといけなくなった場合には、どうしましょうか?
普通の素材ならば、自治体の可燃ごみ(燃えるゴミ)として出しても大丈夫。
でも、お子さんの思い出がたくさん詰まっていると思えば・・・それは、ちょっとね。
いくつかの方法をお教えしますね。
〇捨てる場合
・目隠しをする。きれいな紙袋に入れたり布に包んだり、外からぬいぐるみだとわからないように
してあげましょう。
・感謝の言葉とともに。
「たくさん遊んでくれて、ありがとう!」
「我が子の成長を見守ってくれて、ありがとう!」
・お清めをする。
ぬいぐるみの中に、お塩を入れるといいそうですよ。
神社などで、供養をしてくれるところもあります。
・写真を撮る。
写真を撮っておくと、我が子の成長を思い出すきっかけにもなり、気持ちの整理がつきますね。
〇次の家族を探す場合
〈寄付〉
・NPO団体や施設へ送る。
あらかじめ寄付の先とは、送り方を確認してからです。
(私の場合は、ワールドギフトに寄付すると海外の貧しい子どもたちに届いて、その子どもたちがぬいぐるみと遊ぶ様子がSNSで見ることができ、うれしかったです。)
〈売却〉
・フリーマーケット、メルカリ、リサイクルショップ
・フリマアプリ、オークション など
★いずれの場合でも、我が子が長年一緒に過ごしたぬいぐるみ。
思い出いっぱいのぬいぐるみです。
このぬいぐるみのお陰で、ママも育児が楽になったということがあればなおさらです。
大好きだったぬいぐるみを破れたままにせず、きちんと修繕して、さよならしたいものですね。
この時の感謝の気持ちが、お子さんのやさしい気持ち、物を大切にする姿勢を育てていくものだと思います。
家族みんなで、思い出に残るお別れの仕方を工夫してみてくださいね。
まとめ
子どものぬい活は、子どもの情緒を安定させます。
ぬいぐるみと関わることで、想像力や言語能力を育てることにもつながります。
さらにお子さんが、ぬいぐるみにやさしくしたり、ぬいぐるみと関わりながら遊ぶ姿を見ていると
ママの気持ちも和らいでいきます。
大人のぬい活とは違い、子どものぬい活は子どもの成長にとって大切な役割をもっていることががわかります。
子どもがぬいぐるみで遊んでくれることで、育児が楽になり、ママにもゆとりができました。
ぬいぐるみは、子どもの心を育てて、さらにママの心にも寄り添ってくれる存在。
忙しい毎日の中で、親子の癒しの懸け橋になってくれることでしょう。
ぬい活・・・楽しんでくださいね。

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