子どもがペットを飼いたい!と言い出したら、Yes?No?親の向き合い方

生活習慣

急に我が子が、
「ペットショップで見た、
あのワンコがほしいよ!」
「裏の原っぱで、子猫が生まれていた!かわいそうだから、飼ってあげようよ」
「Kくんの家に遊びに行ったら、真っ白フワフワのワンちゃんがいたよ。いいなぁ」
ある程度、自分の身の回りのことができるようになってきた幼児期の我が子。
そろそろ自分以外のものにも興味関心が向き始めた。

そこで、ペットが飼いたいという要望。
さあ、親としてどのように対処する?

私は幼稚園勤務38年。
保育室や園庭でさまざまな生き物の飼育をしてきました。
ウサギ・亀・ザリガニ・メダカ・アヒル・にわとり・インコ・金魚・・・・など
もちろん私自身、家でも犬や猫を飼った経験があります。

小動物に関わる子どもたちはとってもやさしく、世話をすることで自立が促されます。
ペットを飼うことのメリットは十分理解していても、子どもの飼いたいという要求をすぐに叶えてやることはできませんね。
そんな時に、親として知っておきたい向き合い方と大切なポイントをお伝えします。

幼児がペットを飼いたいと言う時

〇 子どもがペットに興味を持つことは自然の流れです。
大好きなぬいぐるみをいくつ持っていても、ペットのように歩いてきてはくれません。
追いかけっこをして遊ぶこともできません。
ぬいぐるみと同じぬくもりはあっても、ペットは自分と同じ生きた温もりなんです。

〇 ペットはかわいいだけではないんです。
子どもも保育所や幼稚園の入園当初は、年長児からいろいろなことを教えてもらいました。
でも自分がお兄ちゃん、お姉ちゃんになってきたという自覚が芽生えてくれば、当然お世話をしてみたくなるはず。
それが、ペットに向けられたのです。

〇 親としては、現実を見つめた上での対応が必要です。
我が子が、小動物をかわいがる様子を見れば癒されます。
できれば、ペットを飼いたいという願いを叶えてやりたいと思うのは当然。
しかし、ペットはぬいぐるみやおもちゃとは違う。
様々な観点から、ペットを飼うかどうかの判断が必要です。

親としての基本的な向き合い方

ペットを飼う、飼わない・・・いずれにしてもしっかり子どもの思いを聞いてあげましょう。

ペットを飼いたいという気持ちを受け止める

「あのワンちゃん、かわいいよね。飼いたいよね~」とまず、子どもの気持ちをしっかり受け止め
共感してあげましょう。

ママもパパも犬は大好きだから、飼いたいんだという思いは一緒・・・

★「ダメ」「飼えるわけがないでしょ!」
「自分のこともできないのに、犬のお世話なんてできるはずがないでしょ」
「ママは、お世話の仕事が増えるのは嫌ですよ!」と
否定から入ってしまうと、子どもは反発しかない。
意固地になって、絶対に飼いたいと主張するようになり親の話は耳に入らなくなります。
でも、本当は・・・パパもママも飼いたいんだ・・・という共感の言葉で、子どもの気持ちは安定して、話し合いに耳を傾けるようになります。

ペットを飼うとどうなるかという現実を伝える

〇 お世話の大変さを、子どもにもわかりやすく説明する。
きれいなこと、楽しいことばかりではない。
排泄の始末は、大変。
・子犬は寂しがって鳴く。そんな時にはお母さんの代わりをしないといけない。
病気の時には、夜中も寝ないでお世話しないといけない。
・朝眠くても、雨が降っていても、寒くっても散歩が必要である。
・お母さん犬の代わりに、をしないといけない。

〇 家族全員の生活にも影響が出てくることを伝える。
・今までのように、遅くまで遊んだり長時間のお出かけができなくなる。
・お兄ちゃんが試験勉強している時には、おとなしくさせておかないといけない。
・ペットを飼うとお金がかかるから、お小遣いのアップが難しくなる。
・ペットのせいで家具が壊れたら、みんなで修繕をしないといけない。

〇 代替案の提供をする。
どうしても飼うことができないならば、気持ちを切り替えるための提案が必要である。
・幼稚園、保育所の飼育物やふれあい施設の利用
・近所のペット屋さんの見学や散歩を一緒にさせてもらう。
・一時的な「お世話体験」をさせてもらう。
・絵本や動画などで、動物に触れる。
・犬や猫など世話が大変というものではなく、金魚、メダカなどを飼うことを提案する。

愛護センター
愛護センター

〈ミルクボランティア制度の利用〉
自治体などには、動物愛護センターなどがあります。
そこでは保護された子犬や子猫を世話して、新しい家族を見つける活動をしています。
生まれたばかりの子犬や子猫などは、数時間おきにミルクを与えたり、排泄の始末をしたりなどする必要があります。
しかし、職員の手だけでは十分な世話ができないため、一般の方にお願いする制度です。
子犬や子猫が、ミルクから自分で餌を食べることができるようになるまで(1か月間くらい)家庭に連れて帰って世話をするのです。
この制度を利用して、子犬や子猫の一時預かりはどうですか?
お子さんは、子犬の子猫の赤ちゃんの一番かわいい期間を一緒に過ごすことができます。
ペットを飼うことの大変さを知ることもでき、本当にペットを飼うことができるかを考えるようになるでしょう。

ペットを飼うメリット

ペットを飼うことで、人間として必要なたくさんの能力が身につきます。


1 表現力・洞察力
動物(生き物)は、人間のように言葉を発しません。
そのため、動物のしぐさや体の動き、鳴き声などによって、何を考えているか、何を要求しているかを考える必要があります。
これは人間でも一緒のことですが、言われなくても相手の気持ちを洞察する能力ですね。
また、相手に伝えるためにはどのように表現すればいいかを考えるということは、表現する力が育ちます。

2 思いやり・共感性
生き物の気持ちを考える習慣が身につきます。
1でお伝えしたように、言葉を発しない動物です。
何を考えているのか、その気持ちを考えることにより、自分以外のものに対する思いやりの心が育っていきます。

Y保育者
Y保育者

〈待つことができるようになった私〉
私は保育者です。
子ども相手の毎日。
人間だから、私、保育者の指示は分かってくれるだろうなんて・・・
甘い、甘い・・・です。
子どもなんて、宇宙人!
保育者が一生懸命になって、「早くしなさい!」なんて言っても、どこ吹く風。

そんな私が、家で犬を飼いました。
かわいい子犬。
しかし、まったく言うことを聞いてくれない。
辛抱強く、繰り返し繰り返し、あせらずに躾をしていくことが必要だと思いました。

その時に、ハタと気づきました。
私は保育で、なんと自分勝手に子どもたちに接していたのかと・・・
それからは、保育で私は、子どもたちをゆっくり待ってあげることができるようになりました。

まさに自分以外のものに対する思いやりの気持ちです。
相手の気持ちをじっくりと考えて、その存在を大切にしようと思う心を
ペットの犬に教えてもらいました。

3 責任感
毎日のルーティンを意識して、生活することが大切ですね。
大体、ペットの犬は早起きです。
「お腹が空いたよ~」と催促されれば、起きるしかない。
ペットを飼いだしてから、寝坊のMくんは、早起きになりました。
2の相手の気持ちを考えた行動ですね。
また、1日だけのことではありません。
小さな役割であっても、自分がしなければ、ペットが辛い思いをする。だから「自分がする」という意識(責任感が、しっかり芽生えてくることでしょう。

4 情緒の安定
動物とのふれあいは、安心感をもたらしてくれますね。
ぬいぐるみとのふれあい以上にぬくもりを感じることができて、それは、ストレス軽減になります。
困った時、さみしい時など、ペットは何も聞かずにふれあってくれます。
寂しい気持ちや悲しい思いを黙って受け止めてくれるので、自己肯定感にもつながってきます。

5 免疫力がつく。
人間と違って、動物は毎日お風呂に入ることもないし、時には落ちているものでも食べてしまう。
そんな動物とふれあっても汚いとは感じません。
ふれあいの後に消毒することはあっても、ほとんどが手洗い程度。
そんなペットと小さいころから一緒に過ごしていると、アレルギーなどに対しての免疫力がついてくるという報告があります、

ペットを迎える前に考えるべき注意点

1 幼児だけでは世話をすることはできない。
・飼ったならば絶対に世話をするのだと約束していても、そんなに簡単に割り切れるものではありません。
子どもが病気になった時や学校が忙しい時などは、親の負担は大きくなることは覚悟していた方がいいですね。
・子ども(特に幼児)のできる範囲は限られています。
・親ばかりでなく、兄姉など家族全員の協力体制をしっかり話し合っておく必要がありますね。゜

2 経済的負担は大きい。
・食費、医療費、予防接種、グッズなど、総合すればかなりの金額になります。
・病気になった時、ペットも家族の一員だと思えば、知らん顔はできません。ペット保険も普及しているものの、適応されないものがあります。すべて保険でまかなえるものではありません。
・犬や猫の平均寿命は15年以上。歳をとれば人間と同じく、病気も多くなります。
長期的に飼育費用を見積もることが大切です。

Mさん
Mさん

〈私は犬の医療費に100万は使っています!〉
我が家の柴犬1頭目は、6歳でてんかん発症。
MRI検査をしてもらいました。その時は、6万円の検査料。
それ以降、亡くなるまでずっとてんかんの薬を服用しました。
柴犬2頭目は、14歳で歯の歯垢除去。入院したため3万円。
さらに、肝臓の腫瘍が見つかり、亡くなるまでの3年間は、毎月3万円の薬の服用。
この子たちは、去勢手術、避妊手術、毎月のダニ予防、毎年のワクチン、狂犬病予防接種・・・と一般的な費用をかけています。

わりと元気な犬でしたが、知り合いのワンコは脊椎の手術で50万以上。

少なく見積もっても、1頭生涯150万円は下らない飼育費用がいります。
ペットも家族の一員と思えば、医療費については惜しくない。
それよりも元気になってほしいという気持ちが強かったです。

3 生活スタイルが変わってくる。
・外出の多い家は、犬の飼育は難しいでしょう。ペットホテルなどの利用も考えられますが、
ペットの性格にもよります。ストレスで病気になることもあります。
・猫は2泊は、家で大丈夫と言われますが・・・やっぱりおいて出るのはかわいそうですよね。
・ペットを飼うことは、家族のライフスタイルに合うかどうかをしっかり話し合いましょう。
「ワンコを飼ったら、もう3日もディズニーランドに行くことは難しくなるよ」と言ったら、お子さんはどのような反応をするでしょうか?

4 アレルギーや安全面への配慮
猫アレルギーの人は多いですね。家族に一人でもアレルギーを起こす人がいれば猫の飼育は難しいです。
・アレルギーでなくても、引っ掛かれたり噛みつかれたり、躾が十分でない時には小さなけがは絶えません。
家族の怪我ならば我慢もできますが、もし他人を怪我させた時のリスクはとっても大きいです。
・ペット自体も、あやまって怪我をさせたとか、やけどをおわせてしまったということになればかわいそうです。
家庭内の安全面の配慮が必要です。

5 ご近所さんへの配慮
・犬が悪いのではありません。ストレスがたまっているから、大きな声で鳴くのです。
・猫が悪いのではありません。家できちんと排泄をさせないから、隣のお庭を掘ったりおしっこをしたりしたのです。
・ご近所さんに迷惑をかけないように躾はきちんとして、日ごろから仲良くなっているといいですね。

6 どんなペットを飼うことがいいか
・世話をしやすいペットは何か?
・今住んでいる家や敷地に合ったペットであるかどうか?
・ペットの特徴や個性により向き不向きがあります。じっくり考えましょう。
かわいいだけでは、ペットは飼えません!

〈メダカを飼ってみた!〉
犬や猫を飼いたいという希望があったけれど、ペット飼育不可。
メダカを飼うことを提案しました。
今は、メダカといえども種類は多く、眺めているだけでも親子共々、ゆったりした気分。
色とりどりのメダカ一匹一匹の特徴をとらえて名前をつけました。
我が子は、観察記録(飼育の記録)を書いて、楽しそうでしたよ。

餌をやったかどうかを記入する欄があります。

ペットを飼うことを考えさせる絵本

絵本を読むことで、ペットを飼う前の ”疑似体験” としても役立ちます。
いろいろな動物への興味を広げることにつながります。 

犬が登場する絵本

〇 どろんこハリー(シリーズ)  作者*ジーン・ジオン
お風呂が大嫌いな犬ハリーの大冒険。
とんでもないことをしてくれるけれど、みんなに愛されているハリー。
ユーモアたっぷりな表現は、子どもたちの生活と一致する点も多く共感される物語です。

〇 バムとケロのにちようび  作者*島田ゆか
犬のバムとかえるのケロちゃんのほのぼのストーリー。
細かい絵の描写が、子どもたちの興味を引きます。

〇 コロちゃんはどこ?  作者*エリック・ヒル
しかけ絵本です。
子犬のコロちゃんを探すワクワク感が幼児に大人気。
1歳からでも楽しめます。

〇 パグパグ3きょうだい シリーズ  作者*長澤星
つぶれたような顔のかわいいパグの兄弟が主人公。
しぐさが愛嬌たっぷりで、愛らしい。なんだか放っておけないパグ。
テンポのいい内容で、読み聞かせに最適です。

猫が登場する絵本

〇 あしたうちにねこがくるの  作者*石津ちひろ・ささめやゆき
もし家に猫が来たら?と想像を広げます。
ペットを迎える前の心構えにも最適。

〇 ねこがしんぱい  作者*角田光代
猫との関係を通して、思いやりや気持ちの変化を描いている絵本です。
猫の様子がおもしろく、心配する気持ちをほっとさせてくれます。

〇 ねこのおせわをしてください  (えほんのペットシリーズ)
猫のお世話をわかりやすく紹介しています。
かわいい!だけじゃないから、すごく楽しい。でもきままな猫のお世話は、とっても大変!
幼児にも理解しやすい構成です。

★シリーズとして
・いぬのおせわをしてください
・ハムスターのおせわをしてください

もあります。

まとめ

ペットを迎えるかどうかは、”家族全員の選択”です。
飼いたいという子どもの気持ちを尊重しつつ、現実的な判断をする必要がありますね。

ペットは家族です。
飼えば大変だけど、家族の一員として、子どもたちの成長に大きな影響を与えてくれます。

ペットを飼うことのメリットはとっても大きいです。
しかし、経済的・時間の束縛などのリスクも伴います
それらをすべて考慮しながら、ペットを飼うことを考えなければ、人も動物も悲しいことになりますね。
ペットの命も大切。
子どもの命も大切。
命の重みを考えながら、ペット飼育と向き合ってください。

飼うことに対して、「Yes」「No」いずれの選択にしても十分な話し合いをして、子どもの成長につながる関り方をしてくださいね。

ペットを飼えば、いずれは訪れるお別れの時
その時の対応については、こちらをどうぞ!

    

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