3歳児の我が子が友達に嚙みついた!なぜ?原因と対応・相手にどう謝る?

3歳児の我が子が、そばにいた友達の腕に噛みついたと保育園の先生から聞きました。
家でも、遊びに来ていた友達を噛んだことがありました。
そんな時、ママはびっくりしてしまいますね。
我が子がまさか、そんなことをするなんて・・・
ショックを受けたり、これからどのように我が子に注意したらいいかを考えたり
それよりも相手の保護者にどう言って謝ればいいか?
頭がパニックになっているお母さん。
でも、1~3歳児の「噛みつき」は、よくある行動です。

私は、幼稚園教諭を38年間。
そんな私でも、幼児期には「あなたはね。よくお友達に噛みついていてね、母さんはしょっちゅう謝りに行っていたよ。」と言われていました。
今はもう、私は噛みついたりはしませんよ。
保育者養成短大でも、非常勤講師として『幼児の問題行動』について、講義しています。
子どもが噛みついた時に、親として、また保育者として、どうすればいいか
「噛みつき」について、対応の仕方をお伝えしますね。

子どもが噛みつくのは、なぜ?

どもの噛みつき行動は、”悪意”ではありません。
一人ひとり原因は違っていますが、ほとんどの噛みつき行動は、未熟ゆえに起きたことです。

1 言葉がスムーズに出てこない。
まだまだ言語能力が育ってはいません。
自分の思いを言葉で表現し、相手に伝えることができないのです。
たとえば
・遊んでいる場面で、欲しいおもちゃがあった。→「かして」
・滑り台しようと並んでいたのに、後ろのAちゃんが前に横入りした。→「嫌だった」
・積み木を並べて電車ごっこしようとしていたのに、Bちゃんが線路を壊した。→「やめてほしい」


こんな「〇〇〇」の思いが言えずに、
強い感情が瞬間に沸き上がり、『噛む』という行動になったのです。
ママは、誰が悪いと思いますか?
噛みついた我が子が悪い?
確かに、言葉で自分の思いを言わなかった我が子にも問題はあるけれど・・・

2 怒りや悔しさが強い。
2~3歳頃は、感情がとても発達してきている時です。
その証拠に、「イヤイヤ期」とか「なぜなぜ期」が発生してきますね。
自我が芽生えて主張はするようになったけれど、がまんする力はまだまだ発達途中です。
たとえば
・おもちゃをとられた!→ なんで!ぼくのだぞ~
・もっと遊びたいのに、先生がお片付けの合図 → えー!なんでぼくが使っているもの片付けるの!
・なんでお外に行って遊べないの?なんでブランコ、交代しないといけないの?~ → なんだかイライラしてきた。


自己中心的なこの頃の子どもたち。
自分の思い通りにならなかったり、その感情がうまくコントロールできなかったりすると
そばにいた子どもにパクッと、噛みついてしまう。
自分の思いを分かってほしいのだけど・・・分かってもらえない苛立ちや悔しさ
「怒ったぞ!」の表現なんですね。

Screenshot

3 疲れやストレスがたまっています。
子どもの噛みつきのトラブルが多いのは、集団行動の時や夕方に近づいた時。
なぜでしょう?
・眠い
・疲れた
・お腹が空いた
・せっかく遊んでいたお部屋から、違う部屋に集まりましょうの指示

生理的な欲求から、噛みつく行動が起こるのも、2~3歳の頃。
成長してきているようでも、それぞれの欲求が重なってどうしようもない時に「噛みつき」は多くなります。
また環境の変化があった時などをきっかけに、噛みつき行動が起きてしまうのです。

子どもが噛みついた時の正しい対応(保育者)

ここでは、園で遊んでいた時に起こった場面を想定して、保育者の対応の仕方をお伝えします。

1 安全確保
噛みついた時には、お互いに興奮しています。
最優先は、噛まれた子どものケアです!
・嚙みついた子どもから離しましょう。抱っこしてでも。
・噛みつかれた子どもの安全か保たれるように、場の安全確保です。

噛みついた子どもが、他のものに当たってしまうかも・・・他の子どもはいませんか?
壊されていけないものはないですか?
・噛みついた子ども、噛みつかれた子ども、それぞれに落ち着かせます。
噛んだ子どものケアは、後でも大丈夫です。

★強く怒鳴らないでくださいね。
「何したの!」「なんで噛んだの!!」「Aちゃん、やめなさい!!」なんて強く声を掛けると、
噛みついた子はびっくりして、もっと感情的になる恐れがあります。
保育園などでは、まわりにいた子どもたちも先生の声にびっくりして、小さな子どもなら泣いてしまい収拾がつかなくなってしまいます。

〈噛みついた子どもへのNG対応〉
大声で怒鳴る
長時間、説教する
悪い子!と否定する

こんな対応に、子どもは
・感情が高ぶってしまうと、話(保育者など)が理解できなくて、逆効果
・なんで叱られているのか分らなくなって、ただポカーンと怒鳴っている保育者の鬼のような顔を見つめるだけ

これでは、叱った意味がありません。

保育者は
短く、落ち着いた声で
「噛むのはダメよ」
「痛かった?」
「もう大丈夫よ」

Screenshot

2 気持ちを代弁
噛みつくという行為の背景には、自分の思いを伝えられない・分かってもらえないという悔しい気持ちがあります。

〈代弁の言葉〉
「貸してほしかったんだね」
「嫌だったんだね」
「腹がたったんだね」など

大人が、子どもの気持ちを言葉にしてあげます。
そのことで、
ぼくのことを分かってくれているんだ~と、子どもは落ち着いてきます。

3 代わりの方法を教える
噛みついた子どもに、「噛んではダメ」と直接言ってもダメです。
噛みついた子どもに、
「じゃあ、どうすれば良かったかなぁ~」と具体的な方法を考えさせるようにします。

〈代わりの方法につながる言葉〉
「貸して」
「やめて」
「順番だよ」など

     ↓
その場にあった言葉を子どもと一緒に考え
できれば、再現ドラマを行いながら、
代わりの言葉を練習してみてください。
少しずつ、
子どもはその場に合った言葉を覚えて言えるようになります。

噛みついた時にやってはいけない対応

噛みつき行動を即、やめさせようと焦ってはダメ。
時には、逆効果になることもありますから気をつけて!

1 無理やり謝らせない。
噛みついた直後、感情が整理できいない状況の時に
「ちゃんと、ごめんなさいしなさい!」と強い口調で言ってしまいがちです。
子どもは、原因や今後のことを考えることなく
・怒られ回避
・形だけの謝罪
これでは、意味がありませんね。

2 人前で強く叱る。
子どもにも、恥ずかしさやプライドはあります。
大人と同様に恥をかかせるような叱り方をすれば、叱った大人を恨むどころか、不安やストレスにつながってしまいます。
特に敏感な子どもは、噛みつかれた子どもまでもが感情が不安定になってしまいます。

3 「悪い子」と決めつける。
問題は『嚙みついたという行動』であり、その子どもの人格ではありません。

〈噛みついた子どもへの言葉がけ〉
「噛んだことは、よくないよ」
「それは、わかるよね」
「でも、あなたが嫌いで言っているわけではないんだよ」
「次からは、どうしようか?」

噛みつきがあった時の親の対応

噛みついた子どもの親に

親も何度も繰り返すと、申し訳なさや気まずさでいっぱいになりますね。
家庭での躾のまずさを指摘されたような気持になりますね。
でも、必要以上に自分を責めないでください。

1 園と情報共有
・最近の我が子の家での様子
・最近の変化・・・家庭の事情や環境の変化など、話せる範囲で
・我が子の健康状態・・・疲れや睡眠状況など

これらのことを話してもらえると、園も対応しやすくなります。

2 家庭だけで抱え込まない
噛みつきが繰り返されると、
・また、やったらどうしよう
・うちの子だけ?なぜ?
ママは、苦しい気持ちになりますね。

決してお子さんだけではありませんよ。
園では、担任だけでなく園全体で、子どもの行動については話し合いをしています。

気軽に相談してみましょう。
園だけでなく、
・発達相談センター
・小児科 などを紹介してもらえますよ。

噛みつかれた子どもの親に

1 噛みついた子どもを悪く言わない。
子ども同士のトラブル、特にけんかなどは「仲がいい」遊びたいから一緒にいたり、近づいたりすることが多いのです。
2~3歳児は、ママから離れて少しずつ友達を求め始める時期です。
そんな時に、未熟ゆえに起こった噛みつき事件。
ママは、これからその子と遊ばせていいかどうか迷いますね。
もし、また噛みつかれたりとしたら・・・不安でしょう。

もし噛みついた子どもを悪者にして遊ばせないとしたら、お子さんの人間関係を築こうとする機会を奪ってしまうことになりますね。
二人が仲良く遊ぶことができるように、見守っていきましょう。

2 園に相談する。
園で起きたことならば、保育者から助言があることでしょう。
園では、二人の関係をしっかり見て保育します。
この年齢の発達を考えて、友達づくりを行うように遊び方も進めていきます。
園を信頼して、これからどうすればいいか話し合い、不安をなくしてくださいね。

自宅で起きたことであっても、園に相談されたらいいですね。
もし、その子の家と行き来があり仲良く関係を築いているならば、「おたがいさま」ということもあります。
日ごろからいい関係を作って、噛みついた子どもに対しても「ダメなんだよ」とやさしく注意をすればいいですね。

園としての親への対応

保育者にとっては、噛みついた子どもも噛みつかれた子どもも、大切なかわいい子どもです。
噛みつき行動も、発達過程の行動としてありうることも分かっています。
ただ、この事で両方のお母さん同士が仲が悪くなると、自分の保育のやり方がまずかったのかと申し訳なくなります。
しかし、このようないざこざをきっかけとして、子ども同士がぐーんと仲良くなることもよくあります。
子どもの発達について、日頃の遊びの状況について、さらに噛みつきがあった後の二人の関係について
話をして、お母さん同士の不安を取り除いてあげるようにしています。

保育者
保育者

〈お母さん同士の関係づくりのために〉

噛みつきが何度かあると、噛みつかれた子どもの親は
「あの子の親は、うちの子を噛んだことを知っているのかしら?!」
そんな不満が起きることがあります。
お母さん同士が仲良しならば、このような感情はないのですが、
それまで交流の少なかった親同士については
保育者が間に立って、
「うちの子が、お宅のお子さんを噛んだということを聞いて・・・
家でも注意しているのですが、本当にごめんなさい。」と一言挨拶してもらうように促すこともあります。

噛みつかれた子どもの親にとっては、噛んだことを気づいていないのではと不満が出てきているので、
相手からの謝罪があれば
「いえいえ、うちの子も悪かったのでしょう。」と気持ちを和らげてくれることが多いです。

いずれにしても保護者関係が穏やかになれば、子ども同士ものびのびといい関係になっていくものです。

まとめ


子どもの噛みつきは、「噛まれた子ども」はもちろん「噛んだ子ども」にとっても
そして、それぞれの親や保育者にとっても
みんなが辛い思いをする行動ですね。
ただ、その「噛みつき」行動は、ほとんどが悪意ではないのです。

「噛みつき」行動の原因
・自分の気持ちを言葉で表現する力が育っていない。
・感情をコントロールする力が未熟である。

ことが多く、友達ができて一緒に遊び始める3歳頃の子どもにはよく見られる行動なんです。

では、どうすれば良かったか?
大切なことは、
・強く叱らない。
・無理に謝らせない。
ということです。

子どもたちに、「どうすれば良かったと思う?」と問いかけ、一緒に考えて
自分の思いを言葉で表現していく練習をさせるといいですね。

練習を重ねることで、子どもは感情の伝え方を学んでいきます。
それを考えると、「噛みつき」事件は、子どもたちに友達作りには言葉で思いを表現することが大切であることに気付かせるいいきっかけかもしれません。

親としても、ちょっと嫌な思いをしたかもしれませんが、我が子が1段階発達の階段を上がったのだと
捉えると叱らないですむでしょう。

保育者も一人で抱え込む必要はありません。
園内で共有し、先輩保育者の話を聞いたり、保護者と連携をとりながら「噛みつき」行動に
向き合っていきましょう!












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