下に妹もしくは弟が生まれた瞬間に、上の子の世界は大きく変わるのです。
周囲の目は、生まれたての赤ちゃんに向き「かわいいね~」
上の子は、急にお兄ちゃんやお姉ちゃんとしての役割を求められたような気持ちになり、
その結果、甘えや赤ちゃん返り、癇癪などの問題続出。
今までなかった行動が出て、ママは困ってしまうことがありますね。
でも、慌てないでください。
そんな問題行動は、自然な反応なんです。
上の子に「求めすぎない!」
常に優先して育てることで、上の子の心は育ち、ママも楽になるのです。
私は38年間幼稚園教諭として、たくさんの子どもや保護者の方と触れ合ってきました。
現在は、2つの保育者養成短大の非常勤講師として、子育てについて講義しています。
放課後児童クラブの支援員、子育て支援研修会の講師としても、様々なパパやママの悩みに向き合ってきました。
この記事でも、妹や弟が生まれてお兄ちゃん・お姉ちゃんとして戸惑っているお子さんにどのように
関わっていくかを、提案をしたいと思います。
参考にしてくださいね。
下の子が生まれたら、上の子優先の育児
パパもママも、赤ちゃんが生まれたことを大喜び!
もちろん弟や妹が生まれたことは、上の子だってうれしいはず。
でも・・・悩みはいっぱい!
そんな時には、上の子優先の育児が大切なんです。
上の子の世界の変化
・下の子が生まれたら、どうしても赤ちゃんは手がかかるし、パパやママだけでなく周囲の目は
赤ちゃんに向きがちです。
「赤ちゃん、かわいいね~」
そんな時、上の子はどうしているかな?
・上の子は、「お兄ちゃん!」「お姉ちゃんになってよかったね~」と言われて、
うれしさがあるもののどうしていいかと、ちょっと戸惑いの気持ちなんです。
兄・姉としての役割が、急に増えた!ように感じているかも・・・
〈上の子の本音〉
・ママをとられた!ショック
・なんだか寂しい~
・急に大人扱い?おかしいよ。
・本当は、ママにもっと甘えたいのに・・・がまんしないといけないの?
・赤ちゃんと同じにしてほしいなぁ
適切な対応をすれば、上の子の心が変わる
〈パパやママへの提案〉
・上の子の 〈甘え〉〈赤ちゃん返り〉〈癇癪〉などが出るのは、自然な反応なんです。
・上の子に「求めすぎないこと」が大切!
↓
そうすれば〈うれしい変化〉
・赤ちゃん返りが減ります。
・下の子(弟・妹)への攻撃が減ります。
・自然と「お兄ちゃん・お姉ちゃんらしさ」が育ちます。
・親子の関係が安定してきます。
・家庭の雰囲気が穏やかになります。
上の子への声掛け〈タイプ別〉
上の子への声掛けは、「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」という役割を求めるのではなく、
下の子と同じように
”気持ちに寄り添う”言葉を大切にしましょう!
【上の子】甘えたい時
・甘えたいよね。その気持ち、ママはちゃんとわかっているよ。
・抱っこしてもらいたいのかな。いいよ、おいで~
・赤ちゃんみたいにしてほしいよね。
・いいよ。甘えるのはママの子どもだもん、大事だよ。
・あなたとくっつくと(ハグすると)ママは、幸せ!うれしいよ。
→ 甘えを否定せずに、安心を与える言葉が効果的
→ 赤ちゃん返りをしている子どもに、効果的

【上の子】がまんしている時
・えらいね。がまんしているんだ。ママは、わかっているよ。
・待っててくれて、ありがとう!あなたが、待っていてくれて、ママは助かったよ。
・すぐに、そっち(あなた)に行くからね。ちょっとだけ、待っていてね。
→ 我慢して!というのではなく、我慢している事実(上の子の姿)を認めてやることがポイントです。
これらは、
今後、成長してからの兄弟げんかの仲裁のポイントにもなります。
上の子の自己肯定感を育てるかかわり方として、大切にしてくださいね。
【上の子】下の子に、嫉妬している時
・赤ちゃんにヤキモチしちゃう気持ち、当たり前だよ。わかる~
・ママを独り占めしたいんだね。その気持ち、すごくわかっているからね。
・ママが、あなたを好きだという気持ちは、変わらないからね。
→ 嫉妬は悪いことではなく、自然な感情です。
否定せずに、上の子の思いを言語化して、ママが伝えてあげると落ち着いてきますよ。

【上の子】ママとの特別な時間を作りたい時
・赤ちゃん寝ちゃったね。今からは、あなたとママだけの秘密の時間だよ~
・ママを独り占め~。ママは、〇〇ちゃんを独り占め~。
・うれしいね。何をしようか?楽しみだね~。ワクワクしちゃう。
→ わずか5分間でもいいのです。その短い時間でも、しっかり向き合えば、効果大です。
→ 上の子との特別感を言葉で伝えてあげると、満足感アップです。
【上の子】困った行動が出た時
・どうしたの?ママは、とっても心配しているの。気持ちを教えてくれる?
・あなたの怒りたい気持ちは、わかるよ。しっかり聞いてあげるから、一緒に落ち着こうか~
・あなたの気持ちは、~なのかな?そうだよね~。
・あなたの気持ちが、言葉でママに話せるように、手伝ってあげるよ。ゆっくりで大丈夫だから。
困った行動を叱るよりも、なぜ、そのような行動をとっているのか、その背景を探る(聞いてあげる)声掛けが効果的です。
【上の子】赤ちゃんのお世話をしたい時
・手伝ってくれるんだね。あなたがいてくれて、助かるわ。ママはうれしい。
・ありがとう!あなたは、やさしい子どもだね。ちゃんとママは見ていたよ。
・お世話してくれたのね。赤ちゃんは安心して寝たみたい。赤ちゃん、よろこんでいるよ。
・赤ちゃんは、お世話してくれたお兄ちゃん(お姉ちゃん)が、やさしいなぁ~大好きって思ったよ。
→ してくれた「行動」より、上の子の ”存在” を認めると負担にならず、自己肯定感が育ちます。

よくあるNGの声掛け
ママとしては、決して上の子と下の子を差別しているわけではありませんよね。
でも、つい言ってしまう言葉はありませんか?
下のようなママの悩みが出てしまった言葉は、避けたいですね。
ますます溝は
〇「お兄ちゃんでしょ!我慢して・・・」
→ 我慢を積み重ねてしまうと、情緒が不安定になる恐れ
〇「赤ちゃんじゃないんだから・・・」
→ 上の子の甘えたい気持ちを否定してしまうことになり、ママとの距離ができます。
〇「あなたの方が大事だよ」
→ 兄弟を比較してしまう言葉は、兄弟間の優劣を感じさせることになります。
先輩ママの育児成功例
私は38年間、幼稚園教諭をしていましたが、ママからの相談をたくさん受けて助言をしていました。
「上の子が、ちっともお兄ちゃんらしくしてくれない。」
「下の子に、乱暴するようになってきたんです。」
「だんだんわがままになって、私が下の子の世話をして忙しいのに、私のそばから離れないんです。」
もっとひどくなると、
「上の子がかわいいと思えない。」
「上の子とは、相性が悪いみたいです。」というママまでいて、ママと上の子の関係を心配しました。
そんな時にいつも言っていた私の言葉は、
「お母さん!上のお子さんは、まだ3歳なんですよ。一人っ子ならば、たっぷり甘えさせてもらっていたかも・・・」
そんな私の助言を得て、家での上の子との接し方を考えてくれたママたちの声を紹介いたします。
1 下の子が寝たら、上の子の時間!
〈3歳M男くんのママ〉
下の子がいないところでは、上の子にたっぷりの愛情をそそいでやりました。
下の子も少しずつ自己主張するようになってきていたから、下の子も上をかわいがるとやきもちをやく恐れがありました。
だから下の子が寝た後には、上の子とのかかわりタイム。
上の子の好きな絵本を読んでやったり、夜ですが、たまには大目に見ておやつを私(ママ)と一緒に食べることもありました。
とにかく、上の子の話をゆっくり聞いてあげたのです。
上の子も「A(下の子)ちゃんには、ナイショのママとの秘密の時間だ!」と喜び、少しずつ、「下の子よりも、ぼくの方が大事にされているんだ」と感じてくれるようになりました。
下の子優先で育てていたから、すぐに変化が表れたわけではありません。
でも少しずつ、お兄ちゃんらしさ(上の子らしさ)が出てきています。
また、赤ちゃん返りはあるかもしれませんが、この方法をとってよかったです。
きっと、上の子は、「最初に生まれてきて、ラッキー」だと思っているはずですよ。」
2 とにかく上の子が優先
下の子が生まれるまでは、上の子は当然一人っ子で、親の愛情を独り占めの生活でした。
しかし、下の子が生まれたら、
親としては、兄弟公平に接しないといけないことは分かっていましたが・・・
やはり、下の子の世話が優先になってしまいました。
それでも愛情の半分は、絶対に上の子にあげると頑張っていたのですが・・・
上の子にとっては、下の子に愛情のほとんどを奪われた気持ちになっていたのですね。
さらに「下の子をかわいがってね」とか「お兄ちゃんらしくして!」と、今度は自分の愛情まで、
下の子に与えることを強要していたのではないでしょうか?
これでは、当然、上の子らしい行動はとれないと気づいて、上の子との接し方について考えました。
幼稚園の先生からの助言(上の子優先で育てるといいですよ)を実践してみることにしたのです。
なんでも上の子からしてあげよう!と。
お風呂も食事も、遊んであげるのも、全部上の子が先です。
考えてみれば、下の子は生まれたてですから、やきもちなどやいてなんかいませんよね。
たとえば赤ちゃんが泣いたら、
これまでは「赤ちゃんが泣いたから、ちょっと待っていてね。」と上の子に我慢させていました。
そうではなく、「あらあら赤ちゃん泣いちゃった。一緒に来てくれる?」と
上の子も一緒に赤ちゃんのところに行くことにしたのです。
「赤ちゃんのおむつが濡れているみたい。お兄ちゃんも手伝ってくれるかな~」とお兄ちゃんを立ててやったのです。
時には「いやだ」ということもあり、強制はしませんでしたが。
おっぱいの時間には、
「右のおっぱいは、お兄ちゃんのもの。左は赤ちゃんのもの。」
「お兄ちゃん、お先にどうぞ~」
たいていは「ぼくはいいよ。赤ちゃんにやって」と恥ずかしそうに言います。
「優しいね。さすが、お兄ちゃん!」たくさん褒めてやるとうれしそうでした。
もしも「おっぱい飲みたい」と言ったら、ちょっとくらい飲ませてもいいと思っていました。
はじめから「赤ちゃんが先だよ」となると、きっとお兄ちゃんは、やきもちをやいたと思います。
でも、一つはお兄ちゃんのものだよと言うと「別に、ぼくはいらないよ」
「赤ちゃんに、我慢させよう」というと「かわいそうだから、抱っこしてあげて」とやさしい言葉が聞かれるようになってきて、
いい方向に向かってきたなと感じることができましたよ。
3 上の子に、早い自立を望まない
下の子に手がかかるから、どうしても上の子には「しっかりしてほしい」と望むことは当然。
「もう、お姉ちゃんになったのだから、これくらいは自分でしてよ」とか
「早くして!」
「どうして、ママに手伝わせるの?ママには赤ちゃんのお世話があるでしょ!」
下の子の世話に奮闘していると、上の子には手をかけさせられたくないと思っていました。
今になって思えば、あまり歳が離れていないのだから、お姉ちゃんだってママにかまってほしいとおもっていたはずですよね。
上の子はお姉ちゃんになりたくてなったわけではないし、お姉ちゃんにしっかりしてほしいという期待は、親の勝手な願望でしたね。(笑)
それからは、お姉ちゃんが一人でやれるように、できる限り寄り添って
「こうすると早くできるよ」と一つ一つ教えていくようにしました。
途中、赤ちゃんが泣いても「ごめんね。お姉ちゃんが先なのよ」と上の子が優先の態度を示しました。
次第に、ママにつきっきりで教えてもらうからやり方もわかるようになり、自立の姿が見られるようになってきました。
時には、「赤ちゃんが泣いているから、ママは行ってあげて。私、一人で頑張ってみる。」ということもありました。
下の子と同じくらい、上の子にも・・・
いいえ、下の子以上に上の子に手をかけてあげると、上の子は満足して、自立しようとしますよ。
赤ちゃんが二人いるくらいの気持ちで世話をすると、イライラすることが減ったように思います。
まとめ
上の子の心を守ることが、兄弟姉妹育児の基本です。
上の子に対しては
・役割よりも安心感
・しつけよりも甘えの受け止め
上の子の心が満たされると、兄弟関係は自然に育ちます。
上の子の心を守るためには、しっかり「上の子の気持ちに寄り添うこと」が大切なんです。
上の子への声掛けは、「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」という役割を求めるのではなく、
下の子と同じように、まだまだかかわりが必要であり
”気持ちに寄り添う”言葉が大切ですね。
二人兄弟姉妹の設定で、この記事を書きました。
基本は、兄弟(姉妹)が何人いても、一人ひとりの子どもと向き合う時間をとると、一人ひとりの心は育ちます。
一人一人に『一人っ子の時間』を大切にしてほしいなと思います。
子どもは、ママとまたはパパと1対1だからこそ話せることもたくさんあります。
親から子どもに「~こうしてほしいな」という本音も、伝わりやすくなります。
上の子にしっかりしてもらいたければ、急がば回れ~で、
まずは下の子よりも、上の子を優先して、上の子の心をまもってやる育児をしてみましょう。
きっとうまくいきますよ!


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