梅雨時は、外遊びができないから、子どもたちもエネルギーがたまっています。
室内で、何をさせて遊ばせようか?
そんな時には子どもたちと一緒に、思いっきり表現活動を楽しみましょう。
保育室の壁面構成は、保育者が作るものと思っていませんか?
壁面に、子どもの描いた絵をただ並べて展示していませんか?
6月の梅雨時には、子どもの心を揺さぶる対象がいっぱい!
大好きな生き物を中心に、身近な廃材を使って、梅雨時の自然を表現してみましょう。
保育者と子どもが協力して作った壁面構成で、きっとのびのびと外遊びをしている気分ですよ。
私は幼稚園教諭として、38年間子どもたちと一緒に表現活動を楽しんできました。
現在、保育者養成校で、保育者の卵たちに「こどもと遊び」を講義しています。
壁面構成は、作って終わりではありません。
構成してから、子どもたちの遊びがより一層発展していくようにしていきたいですね。
保育者だけでなく、雨で遊びに行けない子どもたちのママやパパも参考にしてみてくださいね。
廃材で作る、立体壁面のアイデア

梅雨時の季節感は、どんなもの?
アジサイ・かたつむり・カエル・おたまじゃくし・雨だれ・虹・雷・傘・長靴などいっぱい!
どれも子どもたちの知っているものですね。
子どもたちが出会ったタイミングで制作すると、意欲満々だと思いますよ。
梅雨時の壁面構成を様々な廃材で作ってみましょう。
上記の壁面のように、自由に、外の景色を作ってみましょう!
あじさいの花を作る
1 卵パックのケースで作る。
・卵バックを1マスずつ切り離し、
→ 油性マジックでカラフルに色付ける。
→ 絵の具で滲ませて色付けもいいけれど、乾くまで待つ必要がある。
→ カラーセロハンをセロテープを両面テープにして貼る。
様々な色付けの仕方がありますが、発達に応じてするといいです。
・色付けした一つ一つを、紙皿や円形に切った色画用紙に付けていく。
→ ホッチキスやセロテープでつけると早い。
・包装紙(緑色の部分が多いものを利用)で葉っぱを作る。
→ 葉っぱの葉脈を折って、広げる。
→ 年齢が低ければ、クチャクチャにしてから広げたものでもOK。
2 紙でアジサイの花を作る。(上の写真の壁面構成を参照)
・一つ一つの花を作る。
→ 折り紙で、花を作る。
→ カラフルなちり紙を、ちぎって丸める。
→ 薄いカラフルな紙を、花の形にきる。
・立体的にふくらみを持たせた円形に貼っていく。
3 はじき絵でアジサイの花を作る。(カタツムリの殻と同じ方法)
・画用紙にクレパスで模様を描く。
・上から、絵の具を塗る。
→ 乾いたら、立体的に構成する。
→ 葉っぱをつける。
アジサイの花の表現いろいろ
★アジサイの花作りには、まだまだ楽しい方法がありますよ。
発達の程度に合わせて取り組ませると、2歳児でも楽しめますよ。
〈切り紙〉
3歳・4歳児・・・はさみの使い方の練習になりますね。

〈スタンプ〉
2歳・3歳・4歳・・・表現力がまだ育っていなくても、楽しめます。

〈浸し染めと切り花〉
3歳・4歳・5歳・・・アジサイの花の構造に関心がでてきます。

〈浸し染め〉
3歳・4歳・・・浸し染めが花びらになりました。
5歳・・・浸し染めした紙(和紙)を折って花にすると、少しレベルアップします。
手先・指の発達に!


作る前に、本物のアジサイを見せてから作るといいですね。
子どもたちは、一つの大きな花が小さな花が集まってできていることに
驚きますよ。
グループで協力して作ることも、協同性の芽生えにつながります。
みんなで作ったたくさんの花を壁面に貼ると、
立体感が出て、子どもたちも思わず触ってしまうかも。
カタツムリを作る
1 トイレットペーパーやラップの芯・紙皿で作る。
・ラップの芯は長い。
→ とっても硬いから、あらかじめ大人が切っておくといいです。
→ テープや包装紙を巻いたり、マジックで色付けする。
・紙皿に模様を描き、殻をつける。
・目は、ストローやモールで表現する。
→ 曲がるストローは便利。先に、紙の目玉をつけたらかわいいですね。

〈切り紙が模様に〉

2 色画用紙を細長く切って作る。
・細長く切った色画用紙を、クルリンと丸める。
→ 端は、セロテープかホッチキスで固定させる。
・目の部分は、二股に切り、先にマジックで目玉を描く。
・できたら、息を吹きかけて動かしてみましょう。

上のカタツムリは、殻の部分はゼリーの容器をよく洗って、乾かしたものを使用。
下のカタツムリは、紙をくるんと巻いただけ。

かたつむり競争をしてみよう
このかたつむり、飾る前に遊んでみましょう。
廃材感がなく、とってもかわいらしい。
自分のかたつむりだという親近感が芽生えます。

カエルを作る
1 牛乳パックで作る。
A・牛乳パックの底の部分を、カエルの口がバクバクになるように切り、残りで手足の形に切る。
→ 牛乳パックの側面や底に近い部分は固いため、はさみで大人の手助けが必要。
→ きちんと形を考えて作るよりも、フリーハンドのつもりで切った方がおもしろいものになる。
→ チョッキを着せたり飾りをつけたりすると、個性豊かなものになる。
B・カエルの頭と体は別々に切る。
→ 頭部と体を割りピンで接続すると、頭が自由に動いてかわいい。
→ 割りピンがなくても、ホッチキスで止めたらいい。
→ Aと同様に、カエルに模様をつけたり服を着せたりすると親しみがわく。
・カエルの頭に、輪ゴムをつないで長くしたものをつける。
→ 天井や壁面の上部にヒートンを取り付けて、カエルをぶらさげる。
→ 子どもたちは、カエルを引っ張り「びょーん」と跳ねる姿を喜ぶ。


2 紙皿・色画用紙で作る。
・紙皿を半分に折り、カエルの口を作る。
→ 紙皿に綿やティシュを丸めて入れると、ふくらみが出ます。
・空き箱やカップなどに、カエルの頭をつける。
→ 頭と体の大きさのバランスを考えて、材料を選ぶことが大切。

背景(雲・雨だれ・虹・おたまじゃくしなど)を作る
1 ビニール袋で雲を作る。
・白いビニール袋に空気を入れて、ゆるく結ぶ。
→空気だけでなく、綿(手芸用綿だと軽くて、ほこりが出ない)を入れたら、リアル感ありです。
・膨らんだビニール袋の雲に糸を取り付け、バランスを考えて天井から吊るす。
・または画用紙の雲に、ビニール袋を貼り付ける。
→ ユラユラ揺れる様子が、一気に壁面の立体感をアップします。
→ ビニール袋に糸をつける時には、端に結び目を作っておくと、飾った時に抜けなくていい。
2 雨だれをカップで作る。
・紙コップやプリンカップなどに、マジックで顔を描く。
・モールなどで、手足を付ける。
→ 足には、長靴をはかせたら雨の日にピッタリ。
・糸やひもで吊るす。
→ いくつか連ねると、雨だれがポッタンポッタンと落ちている様子が表現できる。

・スポンジを雨粒型に切る。
→ 絵の具をスポンジ台に溶かして、切ったスポンジでスタンプする。
→ 溶かした青色も均等にするのではなく、グラデーション状にしておくと立体感がでてきます。
→ 大きな紙にスタンプしてもいい。
→ スタンプしたものを切り取って、糸や紙テープに貼り付けると ”雨”になります。
3 虹を作る
・紙にローラー遊びで7色に色付けする。
→ 中に新聞紙などを入れ、膨らみをつけてから構成する。
→ 虹に、カタツムリなどを並べてもおもしろい。
4 雷を作る
・絵を描いてもいい。空き箱で作ってもいい。
→ 子どもがイメージした体にする。
→ 毛糸を使って頭髪を表現すると、雷らしい。
5 てるてる坊主を作る
・カラービニール袋に、新聞紙をクチャクチャにして詰める。
・小さいてるてる坊主ならば、ティシュを丸めて入れるといいです。
・顔を描いたら、かわいいてるてる坊主に。明日は、お天気だね。


・布があれば、ちっちゃなてるてる坊主はブローチになりますよ。

6 おたまじゃくしを作る
・ペットボトルのキャップを黒い紙で包む。
→ しっぽを長くすると、おたまじゃくしらしくなる。
→ 白目に黒目を描く。黒目の描き方によっておたまじゃくしの表情が出る。
→ 配置の仕方で物語ができて、お話遊びに発展する。(おたまじゃくしの101ちゃんごっこ)

壁面構成のレイアウトのコツ
〇 視線の流れを作る。
・上から〈雨〉→ 斜め下に〈あじさい〉→ 横に〈かたつむり〉が歩いていくよ。
・上から突然ぶらーんと〈カエル〉
★上から下に向かう流れを作ると、自然な感じで美しいですよ。
〇 色のバランスを整える。
・青・紫が多くなりがちだから、葉っぱの緑や傘でカラフルに、アクセントをつけるといいです。
・葉っぱも濃い緑から、新緑の黄緑などグラデーションを楽しみましょう。
★青にも水色~ネイビー・ロイヤルブルーなど、様々。
折り紙は、単色になりがちなので、絵の具で浸し染めをした和紙でアジサイを作ったりすると、色を楽しみ、明るい壁面構成になりますね。
〇 子どもの作品を主役にする。
・子どもの作品は、上手とか下手とかに関係なく、味があります。
・保育者が作ったものは、壁面の ”舞台づくり”です。
・子どもの作品が生えるように構成しましょう。

〈レイアウトのコツ〉
壁面に構成する時には、壁に絵を描くつもりで貼っていくといいですよ。
視線の流れを意識して・・・
右上から、左下へ流れる構成は安定感があります。
立体感をもって映えさせるレイアウトのコツ
〇 重ねる・・・素材を2~3層にずらして重ねたりする。→ 奥行が出ます。
〇 浮かせる・・重ねる時に、両面テープを丸めて挟む。→ 影ができる。
〇 素材の形を生かす・・形を作る時に、切りすぎない。→ 素材の特性が見られ、立体感がある。
〇 色のまとまり・・・同系色を意識する。→ 全体的にまとまりが出て、落ち着いた壁面になる。
〇 子どもの作品・・・壁面構成のテーマの主役に配置する。→ あたたかく、親しみが持てる壁面になる。
新米保育者への壁面構成アドバイス
子どもたちの作品(もしくは保育者の作ったもの)を飾ることだけが、壁面構成ではありません。
〈壁面構成を行う視点の流れ〉
目的 → 素材集め → 構成の計画 → 制作 → 安全への配慮 →
構成 → みんなで見せ合う → 関連した遊びに発展 → 〇〇〇 →
1 目的を決めて、壁面構成する。
・季節を知らせる。
壁面の雨だれを見せて・・
「あれっ?お部屋に雨が降ってきたよ~」
「これから、雨の日が多くなってくるけど、梅雨っていうのよ。」
2 子どもの興味・関心をもっと広げる。
保育者の作ったアジサイの花を見せて・・・
「幼稚園のお庭のお花と同じよ。」
「きれいだね」
「小さいお花が、いっぱい仲良ししてる」
「アジサイのお花が好きなのは、だあれ?」
かたつむり作りにつなげる。
3 作品を見せ合う。
子どもの作品を飾って
「みんなの作ったカエルくんは、元気だね」
ゴムを引っ張ってみて
「Aくんのカエルは元気だね」
「ぼくもAくんのカエルみたいに、足を長くしたらいいかな?」
4 クラスの雰囲気づくりを行う。
子どもたちの作品を飾って、それを眺める。
「今日は雨が降って、お庭はなんだか暗い感じ」
「でも、私たちのお部屋はアジサイのあ花がいっぱい咲いてきれい」
「カエルもカタツムリも遊びに来て、楽しくなってきたね」
5 子どもの自己肯定感を育てる。
「なんだか楽しいお部屋になってきたね」
「みんなが力を合わせて、飾ったからだね」
「お迎えに来たお母さんたちに見せてあげたら、びっくりするよ」
「どれも、よくがんばったねって」
「ぼくも、ここのところがうまくできたと思っているよ」
「もっと作っていこう!」
壁面構成の悩みに答える
子どもたちも制作に一生懸命に取り組んだし、保育者も壁面にそれを構成した・・・
でも、なんだか納得いかない。
何が問題?
Q*何も考えずに片っ端から構成していった。
→ ごちゃごちゃして、一人一人の作品が汚い感じ!
A*壁面の余白の割合を考えましょう。
→ 全面に貼らずに、3割を余白にして残すとすっきり見えますよ。
Q*季節感を出したい。
A*季節ならではの色があります。それを意識するといいですね。
→ 子どもの作品は好きな色を使うため、バラバラでまとまらない感じになります。
→ 保育者の作品に、季節感を出した色を多く使うといいでしょう。
→ 色で季節感を出しましょう。
・梅雨→青・紫系統
・夏 →黄・緑系統
・秋 →黄・赤系統
・冬 →白・灰系統
壁面構成(アジサイの花を作る)の指導案
保育者は、壁面構成をする時にも〈ねらい〉をもち、どのようなところに気をつけて行うか〈援助や配慮〉を考えてから取り組みましょう。
指導案の一例です。

菖蒲の花を組み込んだ壁面構成(お知らせ掲示板)
てるてる坊主が雨だれになっています。

まとめ
子どもの環境として、保育の中でも壁面構成は大きな位置づけです。
季節やイベントの機会ごとに保育者は壁面を構成しますが、ただ子どもの作品を並べて貼るということはありません。
なぜ、壁面構成が必要なのか?
壁面構成の効果(目的)を考えて取り組むことが大切だと思います。
・子どもたちに、季節を十分に感じさせる。
・子どもたちが興味をひくものを構成することで、遊びを発展させる。
・子どもたちの作品を見てもらうことで、子どもたちの自己肯定感を高める。
・クラスの雰囲気作りとして、子どもたちの人間関係を強くし気持ちを安定させる。
さらに保育の中の位置づけとしては、保育者がすべてしてしまうのではなく
子どもの作品を壁面の中に活かしてやることで、保育はより一層発展していくと思います。
ラミネートで作られた壁面は、色もきれいで、時間が経ってもあせることなく、保育者にとってはありがたい。
しかし、子どもの目線でそのラミネートされた壁面構成を見てください。
壁面は光って、子どもにはよく見えていません!
大人の感覚で「ただきれいな壁面構成」は、子どもの発達にあまり効果的ではないということです。
子どもと保育者が一緒に心を込めて作ってこそ、あたたかい活きた壁面構成になります。
身近な廃材を使ってこそ、子どもたちの創造性・表現力は高まります。
みんなで作った壁面構成だからこそ、イメージの共有ができ、遊びへと発展していくのです。
新米の保育者にとっては、大きなスペースの壁面を構成していくことは大変なことでしょう。
しかし、壁面構成の効果を十分に認識して、子どもたちと共に作成していけば、保育は充実したものになりますよ。
壁面構成を通して、季節ごとに楽しい思い出を作っていきましょうね。

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